2019年11月号 Vol.55 No.8
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とのこと。「天神座像」(鎌倉市、荏柄天神社蔵)、賀茂競争図屏風は京都・上賀茂神社での五穀豊穣を祈る行事を描く。The Wall Street Journalも“Where Sacred Meets Secular(聖なるものと世俗的なもの)”としてカラー写真入りで紹介。(3) 「日本美術に見る動物の姿」展 期間/ 会場:2019年6月2日~8月18日ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントンD.C.)2019年9月22日~12月8日 ロサンゼルス・カウンティ美術館伊藤若冲『旭日松鶴図』宝暦5-6年(1755-56)頃 公益財団法人 摘水軒記念文化振興財団2012年、「伊藤若冲‐動植綵絵」展は、ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートで1か月で23万人を動員したという。人々が動物たちに親しみを持ちながら共に暮らしてきたことを示す豊かな動物表現は、日本文化の一つの特徴という。今回は、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートとロサンゼルス・カウンティー美術館において、「日本美術に見る動物の姿」点を開催。子供から大人まで楽しめる動物づくしの展覧会は、より多くの方々に日本文化に親しんでもらおうと日米共同で企画。5世紀の埴輪から現代にいたるまで、日米の重要なコレクションから、動物表現に関連した選りすぐりの作品300点以上を一堂に集め、かつてない規模と内容で展示。絵画、彫刻、漆芸、陶芸、金工、七宝、木版画、染織、写真など様々な形で日本人の暮らしや精神風土、宗教観と関わる多彩な動物表現を紹介。時に素朴でユーモラスな、時には神秘的な表情の動物たちが、米国の老若男女に向けて、日本文化の魅力を発信。タコを描きいれた勝川春章の春画、円山応挙の鶴など、動物を入り口にして日本美術の特性を考察。展示企画者のロバート・シンガーによると、西洋美術ではあまり動物を主要テーマにしないが、動物を著しく多く描くのは日本美術の特徴、という。八相涅槃図(名古屋市・西来寺蔵)では、双樹の木のもとに馬や牛などのほか魚まで集い、日本人がいかに動物を身近に感じてきたかが分かるという。また、古墳時代の犬の埴輪と草間彌生の水玉模様のイヌ、名和晃平のガラスの鹿の像と、春日信仰を表す14世紀の鹿の像を対比して展示。動物表現の多彩さを現代美術家の作品との対比で地続きで表現。(4)全米桜祭りでの公演1912年に日本からアメリカに友情の贈り物として贈られた桜はワシントンのポトマック川沿いに植えられ、その開花は首都の自然の美しさを象徴するようになったという。1935年に最初の「桜祭り」が多くの市民団体が共同で主催され、その後毎年恒例のイベントになったという。そのような歴史を持つ日米友好の祭典「全米桜祭り」において、国内外で活躍する3組を派遣し、2.5次元ミュージカル“Pretty Guardian Sailor Moon” The Super Live、川井郁子&和楽器アンサンブルによるコンサート、望月ゆうさく(Mochi)によるジャグリングのパフォーマンスを実施。あわせて、一般公演やワークショップも実施し、米国の一般市民との交流を図る。ア  川井郁子&和楽器アンサンブル 期間:2019年3月24日 会場:フリーア美術館ヴァイオリニストの川井郁子と尺八や琵琶などの和楽器による演奏。 ファイナンス 2019 Nov.41ペリー来航以来の日米文化交流と「Japan 2019」(下)SPOT

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