2019年11月号 Vol.55 No.8
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ルドカップの開催に向けて大規模改修を行いました。主な改修としては、大型映像装置をこれまでの1基から2基に増設、国際基準の照度を満たす競技用照明の改修、フィールド音響設備の改修、転落防止用の安全柵の改修、フリーWiFiの整備等を実施し、観戦環境が大幅に向上しました。4 ラグビーワールドカップ後について大規模イベントを開催した経験・実績、インフラ整備の効果は、イベント開催後も引き継がれていきます。これを「レガシー」と呼びます。ラグビーワールドカップが愛知県・豊田市にもたらしたレガシーの一例としては以下のとおりです。(1)インフラ整備による利便性の向上試合会場である豊田スタジアム改修、豊田市駅前の整備、試合会場周辺道路の拡張等のインフラ整備により利便性が向上しました。また、市内や主要観光地の案内看板を多言語化表記することにより、海外からの来訪者の利便性も向上しました。(2)国際交流の推進豊田市でキャンプを行ったウェールズ代表、ナミビア代表、イタリア代表選手の市内小中学校への訪問、中学生をファンゾーン会場のボランティアスタッフとして迎えることにより国際交流の場を提供しました。参加した生徒からは海外の方と接する良い機会だったとの意見が出ており、国際意識を醸成することができました。また、選手に地元の特産品を贈呈することでPRを行うこともできました。(3)ラグビー普及活動豊田市内小中学校の教員を対象としたタグラグビーの指導者育成研修の実施、ファンゾーン会場内での子ども向けタグラグビー体験の実施等により子どもたちがラグビーに触れる機会を創出し、ラグビーへの関心を高めることができました。(4)市民活動の活性化ラグビーワールドカップに伴うまちなかイベントの実施、ボランティア活動の推進により、ひとが活躍し、まちが活性化しました。まちの活性化を継続するため、大会後に市民活動団体等との交流会を実施していきます。ラグビーワールドカップがもたらした効果が一過性のものとなることなく、「ラグビーワールドカップの開催を契機に豊田市の魅力がさらに向上した」と言われるように取り組んでいくことが重要になります。5 ラグビーワールドカップに携わって(1)ラグビーワールドカップの開催準備ラグビーワールドカップの業務を振り返ると、開催準備時においては、豊田スタジアムの会場整備業務を担当し、ラグビーワールドカップという国際大会で求められる基準(大型映像装置の増設、より高い照度のフィールド照明、ラグビーのスクラムに耐えられる良質な芝生ピッチの整備等)を満たす試合会場を提供するという高いハードルの達成に向けて、豊田市の関係部署と連携して整備を進めました。整備を進める過程では、関係部署との整備仕様の検討、組織委員会からの要求事項への対応等苦労するこファンゾーンの様子ラグビーワールドカップ仕様に装飾された豊田スタジアム ファイナンス 2019 Nov.23地方創生の現場から【第6回】

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