2019年11月号 Vol.55 No.8
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地方創生に積極的に取り組む自治体(原則人口5万人以下)に対しては、国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として自治体に派遣しています。本記事では、こうした制度などを通じて2018年度以降に財務省から各地に派遣された職員から、現地の概況や地方創生の取組について紹介します。地方創生の現場から【第6回】ラグビーワールドカップ2019™の開催に携わって豊田市役所経営戦略部ラグビーワールドカップ2019推進課 主査 市岡 寛之1 豊田市の概要2018年7月より東海財務局から豊田市役所に出向しております市岡と申します。今回、ファイナンスへの寄稿の機会をいただきましたので、豊田市の紹介、所属課名にもありますラグビーワールドカップに携わった経験を紹介します。「豊田市」と聞いて、まずみなさんの頭に思い浮かぶのは、「クルマのまち」ではないかと思います。豊田市は、全国有数の製造品出荷額を誇り、世界をリードするものづくり中枢都市としての顔を持つ一方で、市域のおよそ7割を占める豊かな森林、市域を貫く矢作川、季節の野菜や果物を実らせる田園が広がる、恵み多き緑のまちとしての顔を併せ持っています。近年では定住促進に力を入れており、働くまちとしてだけでなく、住みやすいまちを目指しています。[位置・沿革]豊田市は愛知県のほぼ中央に位置し、2005年4月1日に西加茂郡藤岡町、小原村、東加茂郡足助町、下山村、旭町、北設楽郡稲武町との合併により、面積が290.12km2から918.32km2と3倍以上に拡大し、愛知県内で最大の面積を有するまちとなりました。(愛知県全体の面積に占める割合は17.8%)豊田市の主な沿革は以下のとおりです。1951年:挙ころも母市しとして市制をスタート1959年:自動車産業とともに発展することを誓って市名を「豊田市」に変更1998年:中核市に移行2018年:内閣府が「SDGs未来都市※」に選定※ 持続可能な開発目標(SエスDディGジーズs)達成に向けた取組を先導的に進めていく自治体[人口・産業]平成31年1月1日現在の人口は、425,455人となっており、愛知県内では名古屋市に次ぐ人口規模となっています。また、年齢構成は、年少人口(15歳未満)が13.7%(全国平均12.3%)、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が63.5%(全国平均59.9%)、老年人口(65歳以上)が22.8%(全国平均27.8%)となっており、生産年齢人口の割合が全国平均に比べて高くなっています。(出典:「人口推計」(総務省統計局)、「Web統計豊田」(豊田市))産業では、自動車関連企業を中心に集積しており、平成29年の製造品出荷額は都市別で全国第1位となっています。農産品では、梨、桃、米、茶の生産が盛んであり、梨の「愛宕」はジャンボ梨として全国的にも有名で、平成23年11月には世界一重たい梨(2,948グラム)としてギネスブックに登録されました。[観光・特産品]矢作川支流巴川がつくる渓谷、「香こう嵐らん渓けい」は、東海トスタくん※豊田スタジアムマスコットキャラクター20 ファイナンス 2019 Nov.

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