ファイナンス 2019年10月号 Vol.55 No.7
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「沖縄雇用・経営基盤強化資金(沖経資金)」を創設した。この制度は、商工会議所・商工会の実施する経営強化指導を受けている特定規模事業者を対象にした無担保・無保証の融資制度である。イ.事業承継に対する取り組み沖縄公庫は、県内中小企業及び小規模事業者の円滑な事業承継の実現に向け、「沖縄県事業承継ネットワーク」に参画し、各支援機関と連携して取り組んでいる。沖縄公庫の連携にあたっては、「人」が死活的に重要である。特に、商工会議所・商工会の経営指導員の方々との日ごろの意思疎通・相互理解が、活動拠点が本島に3つ、離島地区に2つしかなく、職員も200人程度の組織にとってはなくてはならないものである。このネットワークの重要性は、筆者も不明を恥じるが、公庫に在籍してはじめて認識させてもらった。(3)民間金融機関との連携ア.意見交換会の開催沖縄公庫と民間金融機関の円滑な意見交換を図るため、内閣府沖縄振興局と内閣府沖縄総合事務局財務部の共催により「沖縄振興開発公庫と民間金融機関との意見交換会」が開催されている。参加機関は、県内の地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用漁業協同組合連合会、農業協同組合及び沖縄公庫で、各機関の部長級が参加している。(開催実績:(第1回)平成29年11月、(第2回)平成30年5月、(第3回)平成30年11月、(第4回)令和元年5月)イ.連絡窓口の設置沖縄公庫と各民間金融機関が相対で各種調整や意見交換等を行うため、平成29年10月に連絡窓口を設置した。連絡窓口の設置により、個別の協調融資案件に関する調整などの円滑化が一層図られたと認識している。ウ.協調融資表2 関係団体との連携について連携先提携時期分野締結等担当部署連携内容について1(沖縄県内の)各商工会・各商工会議所-中小企業等支援融資第二部各支店・小規模事業者等向け各種支援2中小企業基盤整備機構(沖縄事務所)H17.9月中小企業等支援業務統括部業務企画課・中小企業向け各種支援3琉球大学H20.5月創業、新事業支援新事業育成出資室・研究技術改善、新技術導入、ベンチャー企業等各種情報交換4日本貿易振興機構(JETRO)H25.9月海外展開融資第一部地域振興班・企業の海外展開に関する各種支援5㈱農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE )H26.7月六次産業化融資第三部農林漁業融資班・農林水産地域資源活用等に関する各種情報交換6沖縄工業高等専門学校H26.11月創業、新事業支援新事業育成出資室・高専研究シーズのマッチングコーディネートや企業の技術改善等に関する取り次ぎ7沖縄市(沖縄市創業支援拠点「Lagoon」)H28.7月創業、新事業支援業務統括部業務企画課(中部支店)・創業、スタートアップの推進、ICT技術者等の産業人材の育成、創業計画策定支援、金融支援等8国際協力機構(JICA)H29.1月海外展開融資第一部地域振興班・企業に対する海外情報の提供、個別相談、研修講師の相互派遣 、県内海外の経済状況等に関する情報交換9沖縄科学技術大学院大学(OIST)H29.3月創業、新事業支援新事業育成出資室・研究技術改善、新技術導入、ベンチャー企業等各種情報交換10TKC九州会H29.6月中小企業等支援業務統括部業務企画課・企業向け各種支援11沖縄県産業振興公社H29.6月中小企業等支援業務統括部業務企画課・企業向け各種支援12九州商工会連合会、日本政策金融公庫H29.6月中小企業等支援・災害発生の緊急時に中小企業・小規模事業者への事業存続に対する金融支援を効果的に行うことを目的として「九州商工会連合会災害時小規模事業者支援相互応援協定」を締結13トロピカルテクノプラス(TTP)H30.2月創業、新事業支援新事業育成出資室・研究技術改善、新技術導入、ベンチャー企業等各種情報交換14沖縄労働局H30.3月働き方改革(中小企業等支援)業務統括部業務企画課・働き方改革の推進に関すること・企業の労働生産性向上に資する取組に関すること・人材確保・定着、人材育成に関すること等15沖縄県信用保証協会H30.7月創業、新事業支援融資第二部生衛・創業融資班・創業(予定者)への情報提供、相談への対応、依頼に基づく、双方向の創業者の紹介・創業(予定者)に対するセミナー等の実施・地域経済、地域課題等に関する情報交換等関係団体との連携について20 ファイナンス 2019 Oct.SPOT

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