ファイナンス 2019年10月号 Vol.55 No.7
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く」をテーマに、グループ毎に各金融機関の支店長がファシリテーター兼アドバイザーとして参加し、活発な議論が行われた。当所においては、ひきつづきこれらの取組みへの支援に努めていくほか、各地域における課題やニーズに目を向け、地域経済の活性化に資する各種取組みを支援していく。2地方創生における金融機関と地方公共団体の連携支援地方創生においては、中核的役割を担う地方公共団体と、地域企業へのアドバイスやファイナンスを通じて地域経済に多くの影響を与える地域金融機関が、緊密な連携を図りながらともに課題解決に向けて取り組んでいくことが重要である。こうした中、当所では、「まち・ひと・しごと創生本部」が金融機関を対象に毎年実施している地方創生に係る取組状況のモニタリング調査の結果を活用し、県下金融機関における地方公共団体との協働状況をとりまとめた。一方で、金融機関の協働意識に対する地方公共団体の認識を把握するため、静岡県及び県内市町を対象に、金融機関との地方創生への協働状況等に関するアンケート調査を実施した。その結果、地方公共団体が金融機関に期待する取組みと金融機関が強化したい取組みに違いがみられるなど、金融機関と地方公共団体との間で協働意識の乖離がみられたことから、当該乖離を解消し地方創生の取組みを促進させるため、当所の企画・主催により、平成30年5月、第1回「地方創生懇談会」を開催した。本懇談会には、静岡県及び市町26団体と金融機関が参加し、地方創生を推進する上での課題を共有したほか、一層の連携強化などについて議論した。また、昨年度も同様のアンケート調査を実施したところ、金融機関と地方公共団体の協働状況は前年度に比べて進展し、意識の乖離も縮小したものの、個別事業で見ると「農林水産業の6次産業化支援」については、約8割の地方公共団体が金融機関と協働できていない状況が把握された。このため、第2回地方創生懇談会(31年2月開催)では、「農業の6次産業化」をテーマとし、外部専門家による講演のほか、パネルディスカッションを実施し、地域金融機関と地方公共団体の目線統一やベクトル合わせの重要性を提言した。また、事前に地方公共団体に対し、金融機関から地方創生に向けて提案を受けたい事案をアンケートで聞き取り、そのニーズに対応するソリューションを提供できる金融機関とのマッチングを図るべく、個別相談会を実施した。当所においては、両者を繋ぐハブとしての機能を発揮しながら、ひきつづき地方創生の一層の推進に寄与すべく、取り組んでいく。3静岡県内における地域金融機関の動きと今後の地域活性化・地方創生に向けた取組み下図は、「まち・ひと・しごと創生本部」が金融機関を対象に毎年実施している地方創生に係る取組状況のモニタリング調査の結果を、一部グラフ化したものである。島田市商工会金融懇談会でのワークショップの模様第2回地方創生懇談会の模様14 ファイナンス 2019 Oct.SPOT

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