ファイナンス 2019年10月号 Vol.55 No.7
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(4) G20 Compact with Africa seminar -Enhancing partnership for investment in Africa-G20 Compact with Africa(CwA)は、2017年3月にG20ドイツ議長国の下で立ち上げられた、アフリカへの民間投資拡大のためのG20のイニシアティブです。CwAに参加するアフリカ諸国は、現在12か国(注)となっており、IMF、世界銀行、及びAfDBの支援を受け、経済運営の改善や投資環境の整備、金融円滑化といった民間投資拡大のための措置にコミットしています。また、G20諸国はビジネスフォーラムの開催等を通じ、コンパクト参加国への投資拡大を呼びかけるとともに、コンパクト参加国が行う措置をサポートするため、技術協力等を実施します。日本議長下のG20においてもCwAの取組を継続し、G20福岡のコミュニケ及びG20大阪首脳宣言において、G20構成国による二国間の関与や国際機関の役割強化の方向性が確認されました。本セミナーは、8月29日(木)、これまでのCwAの取組や日本議長下でのG20の成果を経済界、アフリカ諸国等にアピールするため、日本政府(財務省)とアフリカ諮問グループ(AAG)共同議長国であるドイツ及び南アフリカとの共催で開催しました。開会挨拶において、武内財務官は、G20で議論されてきた質の高いインフラ投資の推進や低所得国の債務の透明性向上及び持続可能性の確保を始めとした成長力強化に向けた取組と、それらをアフリカ諸国で推進することの重要性を強調しました。続いて、ドイツ財務省のウォルフガング・シュミット財務次官より、ドイツ主催で国際機関やコンパクト参加国等を招き、CwAの進捗状況や今後の進め方等を議論したサミットやアフリカへの進出を目指す企業をサポートするプログラム等、これまでのドイツのCwAの取組の紹介がなされました。その後、IMF、AfDB、及び国際金融公社(IFC)からは、CwAの取組の具体的な成果やそれぞれ機関の役割等について共有がなされた他、エジプトやエチオピア等のコンパクト参加国からはそれぞれの国の投資環境改善の取組や課題等が発表されました。日本からは、JICA、JBIC、豊田通商及び三菱日立パワーシステムズ(MHPS)より、アフリカ諸国で展開している事業の紹介がなされました。最後に、次期G20議長国であるサウジアラビアから、CwAイニシアティブへの支援を継続する旨表明され、AAG共同議長国の南アフリカより、閉会の挨拶が行われました。(注) ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、エジプト、エチオピア、ガーナ、ギニア、モロッコ、ルワンダ、セネガル、チュニジア、トーゴTICAD7担当の国際局参事官室のメンバー(G20 CwA seminar 会場の前にて)挨拶を行う、武内財務官挨拶を行う、鈴木財務副大臣(当時)12 ファイナンス 2019 Oct.第7回アフリカ開発会議(TICAD7)と財務省の取組についてSPOT

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