ファイナンス 2019年10月号 Vol.55 No.7
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(3) 産業人材育成、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の拡大成長力を強化するためには、人的資本の形成も重要です。AfDBに設けている奨学金プログラムの支援対象となる専攻分野を拡大し、対象者数を増やすことで、産業人材の育成を行っていきます。また、UHC(全ての人々が経済的困難を伴うことなく必要な質の高い保健サービスを享受すること)を拡大していきます。具体的には、世銀の日本信託基金を通じて、持続可能な保険財政確立のための財政・保健当局の連携強化の慫慂をする等、日本議長下でのG20で取りまとめたUHCファイナンスの共通理解文書に基づいて、UHC拡大を一層推進します。3財務省関連のサイドイベントについて財務省は、上記の支援策に関連したサイドイベントに参加し、財務省の取組を説明・発信しました。(1) TICAD7開催記念 写真展「アフリカ、胎動する大陸」世界銀行グループは、TICAD7の開催を記念し、横浜及び東京において、写真展「アフリカ、胎動する大陸」(協賛:フジフィルム株式会社、後援:日本経済新聞社)を開催しました。8月23日(金)に東京で開催されたオープニングレセプションには、うえの賢一郎財務副大臣(当時)が出席しました。冒頭挨拶において、TICADにおける日本政府と世界銀行とのパートナーシップを強調されるとともに、本写真展はアフリカの持つ創造性、多様性、強靭性、強い意思を表すものであるとして、アフリカの持つ機会と未来への楽観について言及され、TICADを通じて日本とアフリカの関係強化が図られることへの期待を述べられました。(2) AfDB-JICA Africa Investment Seminar and Launching Ceremony of new collaboration scheme日本政府とAfDBは、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」第4フェーズ(EPSA4)として、3年間で共同で35億ドルを目標額とする資金協力を行うことを発表しました。8月30日(金)にJICAとAfDBとの共催で行われた本イベントに、鈴木馨祐財務副大臣(当時)が出席し、EPSA4は、アフリカのインフラへの資金ニーズや、民間の資金ニーズに応えるべく、これまで実施してきたEPSA3を、質・量ともに拡充することにしたもので、電力、運輸及び保健を重点分野とする旨述べ、EPSA4がアフリカのビジネス、投資促進、雇用創出につながることへの期待を表明しました。(3) Sustainable UHC in Africa through Building Country Ownership/Achieving Sustainable Financing for Health in Africa日本政府が関係機関と共催するUHC関連サイドイベントに、鈴木副大臣(当時)、武内良樹財務官が登壇しました。鈴木副大臣(当時)は、8月29日(木)に行われたサイドイベント「Sustainable UHC in Africa through Building Country Ownership」にて冒頭挨拶を行い、日本議長下でのG20の成果を紹介すると共に、UHCにおける持続可能な保健財政制度の重要性を強調しました。また、武内財務官も、同日行われたサイドイベント「Achieving Sustainable Financing for Health in Africa」に登壇し、日本議長下でのG20等を通じたUHC推進に係る国際的なモメンタム作りへの日本の貢献を強調すると共に、国内資金を主要財源とした保健財政制度の重要性を訴えました。挨拶を行う、うえの財務副大臣(当時) ファイナンス 2019 Oct.11第7回アフリカ開発会議(TICAD7)と財務省の取組についてSPOT

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