ファイナンス 2019年10月号 Vol.55 No.7
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家計や景気の影響を緩和するため、他にも様々な対策が取られている。平成26年に消費税率を5%から8%に引き上げた際には、耐久消費財を含む個人消費等に大きな駆け込み需要と反動減が生じ、景気の回復力が弱まることとなった。この反省を踏まえ、今回の対策は需要変動の平準化に力を入れたものとなっている。主な対策としては、所得の低い方や子育て世代への負担を緩和し、消費を下支えするため、プレミアム付商品券の発行・販売が行われている。また、自動車の取得・保有にかかる税の軽減措置、住宅の購入やリフォームへの税制措置や給付措置などにより、10月1日以降の購入等にメリットが出る措置が設けられている。さらに、キャッシュレス化推進の観点も含め、中小・小規模事業者の対象店舗でキャッシュレス決済を行った消費者へのポイント還元も行っている。加えて、防災・減災、国土強靱化のための重要インフラの機能維持、マイナンバーカードを活用した消費活性化策といった措置もある。どんな対策が講じられた?(2)消費税率の引上げに伴う家計・景気への影響の緩和策図表9●消費税率引上げによる家計・景気への影響を緩和するための主な対策控除期間を10年から13年に3年間延長。※延長された3年で建物購入価格の消費税率2%分減税(最大)※消費税率10%が適用される住宅取得等で、令和2年12月末までに入居した場合収入に応じて給付金の額を10万~40万円増額し、最大50万円に。給付対象者も拡大。※消費税率10%が適用される住宅取得で、令和3年12月末までに引き渡しを受け、入居した場合一定の性能を有する住宅の新築やリフォームに対し、商品と交換可能なポイントを付与。※消費税率10%が適用される住宅取得等で、令和2年3月末までに契約の締結等をした場合非課税限度額を最大3,000万円に引上げ。※令和2年3月末までに消費税率10%が適用される住宅取得等の契約をした場合自動車税(保有時の税)の減税令和元年10月以降に初回新規登録を受けた自家用の乗用車(登録車)の自動車税が毎年減税になる。環境性能割(購入時の税)の軽減令和元年10月1日から令和2年9月30日までの間に自家用の乗用車(登録車・軽自動車)を購入すると環境性能割の税率1%分が軽減される。自動車の購入支援住宅の購入等の支援住宅ローン減税の拡充すまい給付金の拡充次世代住宅ポイント制度の新設住宅取得等資金の贈与税の非課税措置住民税非課税者や3歳未満の子育て世帯の負担緩和と消費下支えのためプレミアム付商品券を発行・販売する。●仕組み2.5万円分の商品券を2万円で購入可能。25%のお得。●期間令和元年10月から令和2年3月までの間で各自治体が定める期間プレミアム付商品券事業対象店舗でクレジットカード・デビットカード・電子マネー・スマートフォン等を使って代金を支払うと、ポイント還元が受けられる。●仕組み最大5%を還元※フランチャイズ傘下の店舗等では2%●期間令和元年10月から令和2年6月までキャッシュレス決済のポイント還元8 ファイナンス 2019 Oct.

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