ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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各地の話題このなかで、ささしまライブ24地区に隣接する中川運河の「堀止」と「松重閘こう門もん」、「長良橋」までの一帯を「にぎわいゾーン」として設定しています。「にぎわいゾーン」の良好な水環境を創出し、周囲の豊かな緑の形成を図り、加えて、カフェなどのにぎわい施設や水上交通の運航を展開することで、人びとが訪れたくなる「港と文化を感じる都心のオアシス」の形成を目指しています。3財政融資資金の活用にぎわいをもたらす運河への再生の一つとして、財政融資資金を活用し、名古屋港管理組合による中川運河の水質改善事業や緑地整備事業が行われています。「中川運河水質改善事業」は、人びとが水辺を不快なく散策できる水辺環境を創出するため、現在の海水取水量を増加させることで、水循環の促進、水質改善を図る事業です。名古屋市の下水道処理施設「露橋水処理センター」から送水される日量約3万m3の高度処理水は、ささしまライブ24地区の地域冷暖房の熱源として利用した後、「堀止」へ放流することで、「堀止」の水循環も促しています。今後、松重ポンプ所の改修を行うことで、18万m3が中川運河を循環することとなる予定です。(名古屋港管理組合実施事業概要)事業内容中川運河水質改善事業事業実施期間平成27年度~令和4年度(予定)全体事業費1,810,000千円財政融資資金貸付額80,000千円(平成28~30年度)また、「堀止」に、人びとが憩い、交流できる公共空間の創出を図るため、水辺の持つ特性を生かした親水緑地を整備しています。ささしまライブ24地区にある「キャナルパークささしま」のパークエリアと連携しイベントも開催されています。また、多くの人びとが訪れる名古屋駅周辺地区の一時退避場所として帰宅困難者対策等の防災機能も有しています。(名古屋港管理組合実施事業概要)事業内容中川運河(堀止)緑地整備事業事業実施期間平成20年度~令和3年度(予定)全体事業費1,258,000千円財政融資資金貸付額469,400千円(平成21~30年度)堀止緑地4おわりに大規模再開発が行われてきた「ささしまライブ24地区」は、平成29年10月にオフィスやホテル、商業施設が入居する「グローバルゲート」が開業し、賃貸マンションのほか国際交流・研修施設、大学、放送局なども建設され新しい街として“まちびらき”しました。名古屋駅周辺では、2027年のリニア中央新幹線開業を見据え、多様な主体が連携し、「国際歓迎・交流の拠点」として名古屋大都市圏の玄関口にふさわしいまちづくりが進んでいます。財務局では、こうした地域の実情や地方公共団体のニーズを把握しつつ、財政融資資金の活用により、地域活性化の取り組みが一層進展するよう、力添えしていきたいと思っています。 ファイナンス 2019 Sep.87連載各地の話題

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