ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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各地の話題3ゲームクリエイターの育成・支援ゲームクリエイターには、プログラマーはもちろんのこと、デザイナーやサウンドクリエイター、プランナーなど、様々な専門性が求められます。プロジェクトでは、産業の定着やゲーム関連企業の誘致にあたり、そのようなゲームクリエイターの人材を確保できる環境が不可欠であると考え、クリエイター人材の掘り起こし・育成から取り組むこととしました。まず、クリエイター人材の掘り起こしを目的として、「UOZUゲームフォーラム2017」を開催しました。このイベントでは、著名なゲームクリエイターを招いての講演会やゲーム開発の導入部分を学ぶことができるゲーム開発基礎学習会を実施しました。県内初のゲーム開発関連イベントでありながら定員を超える100名以上の方にご来場いただき、北陸でもゲームクリエイターを志望されている方々が多くいることを確認できました。プロのクリエイターによる参加者制作ゲームの講評会(写真:魚津市)プロジェクト開始2年目の平成30年度は、さらなる人材育成・支援に注力し、クリエイター育成・支援イベントを11回開催しました。魚津市で毎年開催している産業フェアにおいて魚津産オリジナルゲームを体験することができるブース出展や、県内最大規模のeスポーツ大会をイベント内で同時開催してゲームプレーヤーとの連携を図るなど、様々な切り口でクリエイターの方々を応援してきました。こうした取組みにより、参加者の中からゲームクリエイターとして市内での起業者が誕生した他、当プロジェクトにて開発されたゲーム「つくるUOZU GAMES」が10タイトル以上発表され、一部が一般販売されているところです。令和元年度は、人材育成だけでなく、企業誘致活動として、都市圏のゲーム関連企業への訪問や日本最大のゲームの見本市「東京ゲームショウ2019」への出展を実施します。ゲーム関連企業に対しては、本プロジェクトの取組みやクリエイター人材の紹介の他、魚津市での事業所設立の際の障壁等の聞き取りを行うなど、業界への積極的なアピールと問題点の改善を進めていきたいと考えています。4ゲームクリエイターのまちを目指して当市とは無縁であった「ゲーム産業」に着目して開始された当プロジェクトですが、現在約150名のクリエイターコミュニティが形成される等、徐々に機運が盛り上がってきています。若い世代が魅力ある仕事で輝き、活気あふれる「ゲームクリエイターのまち」の実現に向けて、今後も魚津市一丸で取り組んでいきたいと考えています。「つくるUOZUプロジェクト」で地方創生を実現!地方創生コンシェルジュ北陸財務局富山財務事務所長 千崎誠一急峻な地形の中に、自然・文化・歴史といった魅力があふれる魚津市。これまでも、CSVを目指した人材育成への取組みや、新たなお祭りの立ち上げなど、先駆的な取組みを次々と実行し、地域に賑わいを創出してきている。その魚津市の次なる挑戦がゲーム産業を新たな産業として定着させる「つくるUOZUプロジェクト」。魚津市が一丸となって取組みを進めることで、地域に新たな活力をもたらし、地方創生が実現されることを期待しています。プロジェクト参加者との集合写真(写真:魚津市) ファイナンス 2019 Sep.85連載各地の話題

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