ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
88/94

1魚津市の紹介魚津市は、富山県の東部に位置する人口約4万2千人の都市です。水深1,000メートルの富山湾から標高2,400m以上の北アルプス山岳地帯までが、奥行きわずか25kmに収まる急峻な地形から成り立っており、山岳地帯に降り注いだ雨や雪は川や地下水となって扇状地を流れ、富山湾に注がれています。魚津市空撮写真(写真:魚津市)このため当市では、魚種豊富なことで知られる富山湾での漁業はもちろんのこと、肥沃な扇状地では米や野菜に加えてリンゴ・梨・ぶどうなどの果樹栽培が盛んに行われています。また、これらを育む魚津市の地下水を原料としたボトルウォーター「うおづのうまい水」は、平成29年度~31年度に3年連続でモンドセレクションの「最高金賞」を受賞しており、世界的にも高い評価を受けています。また、特別天然記念物の魚津埋没林や蜃気楼といった貴重な観光資源の他、ユネスコ無形文化遺産に登録された「魚津のタテモン行事」を含む「じゃんとこい!魚津まつり」は夏を彩る一大イベントとなっています。2つくるUOZUプロジェクトこのように自然、文化、歴史といった魅力あふれる当市では、移住・定住人口の増加や子育て環境の充実などに向けた取組みを進めていますが他の多くの自治体と同様、若い世代を中心に人口減少が進んでいる現状にあります。ゲーム開発体験合宿「UOZUゲームハッカソン」(写真:魚津市)こういった状況に歯止めをかけるべく着目したのが、地方の狭小な土地でも事業展開が可能であり、若い世代にとって魅力ある産業である「ゲーム産業」です。ゲーム産業を新しい産業として市内に定着させ、若い世代が働きたいと思える雇用を創出し、将来的な定住人口増加につなげていくことを目標としました。まず、新産業の定着による地方創生の実現を目指すためには、行政だけでは継続的で効果的な仕組みの構築に限界があると考え、民間として魚津商工会議所とプログラミング等のものづくりに必要な技術を習得するカリキュラムのある北陸職業能力開発大学校に協力を依頼し、平成29年9月に実行委員会を設立しました。ゲームをつくる、働く人材をつくる、産業をつくる、魚津の未来をつくる、「つくるUOZUプロジェクト」と名付けられたこの取組みは、産・学・官による実行委員会を中心に活動を進めています。つくるUOZUプロジェクト~ゲームクリエイターのまちを目指して~魚津市産業建設部商工観光課商工振興室 創業支援・企業立地係 主事山田 聡魚津84 ファイナンス 2019 Sep.連載各地の話題

元のページ  ../index.html#88

このブックを見る