ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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積極的な官民・官官連携 で女性活躍推進を柏原市市民部産業振興課主務舩冨 督央1柏原市の概要柏原市役所前を流れる大和川と東山大阪府の中央東部、奈良県との境にある柏原市。市の3分の2が山で、一級河川の大和川が市域を二分しています。緑豊かな山々と美しい川の流れ、そして山麓に広がるのは柏原市特産のぶどう畑。多彩な自然環境にありながら、山麓から少し歩くと市街地が広がり、都心へのアクセスも良好な、都会と田舎の狭間の「トカイナカ」です。ぶどうばかりがフォーカスされがちですが、市域南部には中小企業団地が広がり、多様な企業が立ち並ぶほか、オリンピックで海外選手も愛用する柔道着メーカーや日本で唯一の綿実搾油メーカー、先日のG20大阪サミットの夕食会でも採用されたワイナリーなど、創業100年を超える老舗企業も数多く存在します。そして日本の誇る自転車フレームビルダーがいくつか存在し、大和川沿いに連なるサイクリングロードや、「葡萄坂」と呼ばれるサイクリストに人気のヒルクライム名所があるなど、「自転車の聖地」としても近年注目を集めています。2官民連携で女性活躍を推進このような多数の機運がある中、現在注力しているのが、「女性就業率のアップ」です。本市では「『親世代』から『子ども世代』、『孫世代』へとつなぐ、三世代がよりそうまちづくり」を総合戦略の基本方針に掲げており、2018年3月には稼働率が低く、遊休化している施設の一部を民間企業に貸し出し、子育て中の母親(以下、ママ)の労働拠点の創出に着手しました。当該拠点を運営するのが、ママが子連れで通えるオフィス環境を整備する、(株)ママスクエアです。「子どものそばで働ける世の中を当たり前に」を企業理念とする同社とタッグを組むことで、子育て中の母親の雇用を実数として増やしながら、女性の柔軟な働き方の啓発イベントを打ち出していくことにしました。(株)ママスクエアのオフィス風景初めに、普段子連れでゆっくりとカフェやアクティビティを楽しめないママをターゲットに、飲食店やレンタルスペースにお子さんを預かる空間を設ける「出張キッズスペース」を展開しました。ママのリフレッシュできる空間づくりを通して、同社がクレドに掲げる「ママの笑顔で溢れる社会」を創り出し、同時に働柏原82 ファイナンス 2019 Sep.連載各地の話題

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