ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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文化や伝統とともに食を楽しむ旅を提案するものです。具体例を挙げてみたいと思います。これまで、雪国観光圏の取組は何度か紹介してきましたが、その他にも、地元で活躍するシェフ等が中心となり、LaboCuci(ラボクチ)、長岡ガストロノミー研究会、TSUBAME×ACTIONSといったグループでの取組が盛んになっています。今回、初の試みとして、それぞれのグループが、県下最大の大地主伊藤家の大邸宅だった「北方文化博物館」(写真(1)9月11日開催)、県内最古の豪農の館で重要文化財の「長谷川邸」(写真(2)9月28日開催)、リニューアルしたばかりの燕市産業史料館(写真(3)10月14日開催)で、一度きりのプレミアムダイニングを開催します。鶴岡市のアル・ケッチャーノ、三条市のUOZEN、IL RIPOSO(イルリポーゾ)など、食事をするために県外からお客様を集めるほど、地方の店舗が注目を集めているなか、さらに歴史や文化を象徴する場でその土地の食材を味わう格別のひととき。こうした取組が、地元にも素晴らしい歴史と場があるんだ、と県内の方々が再認識するきっかけにもなればなあと思っています。今回、あえて一部だけを紹介しました。HPをのぞいていただければ、きっと、気に入った食が見つかります。その食の体験を通じて、信濃川等の大河をはじめとする自然の恵み、そこに水分や栄養を育む雪や地形、これらと共存してきた人間の歴史や文化を感じられるスポットで余韻を味わって頂きたいと考えています。普段はひっそりとしている県庁の週末、敷地内で初のイベントを開催しました。アジア料理やスイーツ、地元野菜、地ビール等の飲食や物販22店舗のほか、音楽ライブ、子供向けダンゴムシレースなど。企業と連携して電気自動車による電気供給まで導入。来場者は想定を大幅に上回る約3,500人で、親子連れが芝生に座ってリラックスする光景が印象的でした。県庁には、バスターミナルや駐車場があって、トイレも錦鯉も18階からの展望もある、素晴らしい公共空間の活用があることを再認識。地元ほぼすべてのマスコミで大きく取り上げられました。これには、税金は投入されておらず、かえって施設利用料が県に入ってきますが、若手職員中心に官民有志が自主的に企画したものです。こうした姿勢が幅広い業務で浸透し、柔軟な発想でアイディアを出し実行できる職場に変わっていければ、と思っています。コラム:若手職員の発案で実現した「ナイト・マルシェ」写真(3)  Cross in the Dish - 燕の産業と 歴史がお皿の上でクロスする -写真(4) 自然を象徴する清津峡と現代アートの融合新潟県・庄内エリアDC公式HPにいがた観光ナビ ファイナンス 2019 Sep.43ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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