ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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第二十一回 ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?2018年5月号で紹介しました「日本海美ガストロノミー食旅」、いよいよこの10月から12月に本番を迎えることになりました。そもそも、ディスティネーションキャンペーン(DC)は、JR6社が自治体、旅行会社等と協力して地域に誘客する取組みです。全国一斉に特定の地域の観光をPRする訳ですが、もともとは国鉄時代、1978年の和歌山県「きらめく紀州路」が始まりとのことです。民営化にあたっての休止を含めて変遷を重ね、2000年度からは毎年冬は京都市が定番に。現在、3か月毎に地域を変え、年4回行う形が定着しています。ちなみに、過去のメインテーマのコピーを見ると、時代を反映していて味わい深いです。初期は「ひろがりの三河湾・尾張路」「さわやか信州」「うるおいの新潟」といった形容詞+地域名が多く、昔から現在まで登場しつづけているのが「いち、にの、さん、滋賀」「わっ!が山ほど和歌山県」「旅さきは、ながさき」といった語呂系。中には、なぜこのコピーにしたのか私では想像もつかないものもあります。魅力のブランド化に向けてさて、新潟の観光は、米・酒、温泉、雪、匠の技など「多くの魅力」を発信してきましたが、それぞれを横並びで発信してきたことで地域のブランド化が進んでこなかった側面がありました。そこで、今回のDCを一過性の誘客ではなく、新潟の観光を中心としたブランド化の機会としてとらえることにしています。江戸時代から明治中期にかけ、日本では北前船が物流の要でしたが、新潟は開港5港となったように、雪国でありながら一大寄港地で、日本文化が集まる場所でした。そして、明治期以降太平洋側が相対的に発展するなか、豊かな食文化がしっかりと残されてきました。さらに、皆様ご存知のとおり、山・海・平野と豊富な食材が手に入る地でもあります。そこに、旅行の在り方の趨勢を踏まえ、新潟県の強みである「食」の魅力を中心に、食を生み出した自然、伝統文化、人等をあわせた「食文化」を旅の目玉のコンテンツに据えることにしました。それが、ガストロノミーです。独自の食文化を持つ地域を訪れ、その地域新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道写真(1)  新潟 食の未来 - 想像(image)と 創造(creation)写真(2)  遊びごころの考察と探求~ 長岡の食文化 新たな挑戦42 ファイナンス 2019 Sep.連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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