ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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に、幅広い政策上の課題を引き起こすとの認識が共有され、これらの懸念や課題はいずれも、こうした取組が実施される前に対処される必要があるとされた。規制上の懸念に関しては、今後実現する可能性のあるステーブルコインのイニシアティブ及びその運用者が、金融システムの安定や消費者保護を脅かすことのないよう、いかなる場合においても、特にマネーロンダリング及びテロ資金供与対策をはじめとする最高水準の金融規制を満たす必要があることが合意された。また、システミックな懸念に関しては、リブラのような取組が通貨主権や国際通貨システムの機能にも影響しうることが合意された。麻生大臣からは、ステーブルコインについての議論では、既存の個々の規制の適合性を確認するだけではなく、既存の規制が想定していない新たな課題がないか、包括的な検討が必要であること、例えば、新たにオートバイが発明された場合に、既存の自転車の規制とエンジンの規制を個別に満たすだけでは、安全性を確保できないということを述べると同時に、一方で、後手を踏むことが無いよう、当局側によるタイムリーな対応が必要であると発言があった。なお、G7の作業部会から、ステーブルコインに関する暫定的な見解が示された(最終報告は、10月のIMF世銀年次総会のタイミングまでに提出される)。今後、同作業部会は、G20及び金融安定理事会(FSB)等と連携していくこととされており、我が国はG20議長国として、G7と効率的に連携していきたい。議長国フランスと麻生大臣シャンティイ ファイナンス 2019 Sep.19G7シャンティイの概要について SPOT

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