ファイナンス 2019年9月号 Vol.55 No.6
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災害査定立会件数の増加に対応するため、財務局では局内の応援や他の財務局からの応援、さらには本省からの応援を得て乗り切っている。たとえば、中国財務局では、平成30年12月に156件の災害査定立会を行ったが、災害査定立会の担当部署である主計部門の係官だけでは対応できないため、局内から延べ52人、他の財務局から同42人、本省から同4人の応援を受けた。増加する自然災害に対応して 体制面の整備を進める制度面の整備として平成29年2月には「大規模災害時における災害復旧事業査定方針」を策定(農林水産省通知、国土交通省通知)、大規模災害時に被災自治体の災害査定に要する期間等を大幅に縮減する災害査定の効率化に関する事前ルール化の運用を開始している。さらに同12月には「激甚災害指定の早期化に向けた運用の改善について」(12月21日中央防災会議決定)を受けて被害が甚大になる蓋然性が高いと判断される災害について、災害終息後、最速1週間程度で「激甚災害指定見込み」の公表をすることになった。一方、体制面の整備では平成29年から大規模災害査定方針の自治体等への周知を目的に「大規模災害査定方針キャラバン」を実施している。財務省・農水省・国交省が合同で実施しており、平成29年には参加者852名、平成30年には同1,023名を得ている。また、大規模災害時に備え、各財務局等で平成30年3月に「立会官確保計画」を策定。30年4月から3年間で応援可能者を増やすため、災害査定立会の担当部署である主計部門以外の職員にも災害査定立会の経験や習得・研修等を実施している。「大規模災害査定方針キャラバン」並びに「立会官確保計画」の着実な実施等のため、令和元年度は財務局等において17名の定員を確保し体制を整備している。平成30年災における中国財務局に対する応援体制平成30年12月立会班数応援の内訳(班数)主計部門局内応援等他局応援本省応援第2週(12/3~7)471811162第3週(12/10~14)401110172第4週(12/17~22)4413229―第5週(12/25~28)25169――12月合計1565852424割合100%37.2%33.3%26.9%2.6%〈応援派遣局別内訳〉東北:4班、関東:14班、北陸:4班、東海:5班、近畿:1班、九州:7班、福岡:5班、沖縄:2班。災害復旧事業の流れ【補助災】(公共土木施設の場合)災害発生⇒災害報告⇒設計図書作成⇒国庫負担申請⇒災害査定・立会(事業費の決定)⇒国庫負担金交付申請⇒交付決定⇒災害復旧工事の実施⇒事業費の精算⇒成功認定⇒事業の完了災害現地にて、災害査定官、立会官、申請者の三者で作業 ファイナンス 2019 Sep.7豪雨や地震などでの被災に迅速に対応災害復旧事業で果たす財務局の役割特集

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