ファイナンス 2019年8月号 Vol.55 No.5
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門司〔バナナの叩き売り〕日本におけるバナナは、明治時代後期に台湾の商人が神戸港に持ち込んだのが始まりとされています。当時の台湾は日本の領土で、地理的に近い門司港では、バナナの流通拠点として大量に荷揚げされていました。当時は、保存の技術が発達していなかったため、傷がついたり、熟成が進みすぎたバナナを廃棄前に叩き売るようになったのがバナナの叩き売りの始まりとされています。現在では、「門司港バナナの叩き売り連合会」により伝統文化として、土日やイベント等で行われるのみとなっていますが、独特のリズムと口上で客の足を止め、客の「まだ高い!」「もう一声!」等の合いの手と共に行われる様子は、惹きつけられますので、一度参加されてみてはいかがでしょうか。〔関門海峡花火大会〕山口、福岡の県境を越え、日本で唯一、海峡を越えて同一名称で合同開催される花火大会です。主催団体は、下関・門司と別々であり、花火の打ち上げも下関側と門司側で別々に行われるのですが、花火の打ち上げタイミングをそろえる等、一体的な運営がされている希少な開催形態を取る花火大会となっています。門司側と下関側で合計120万人の人出となり、全国2番目の集客を誇ります。当署の事務室も位置的に花火観賞ができると思うのですが、この日ばかりは、出遅れるとJRに乗車困難となり、帰宅難民になりかねません。もし、関門海峡花火大会をご覧になろうと思われる方がおられたら、宿泊していただき、門司港レトロ観光も一緒に楽しんでいただくことをお勧めします。〔焼きカレー〕「焼きカレー」は、門司港の名物料理です。始まりは、とある和食店が土鍋にカレーを入れてグラタン・ドリア風にオーブンで焼いたところ、美味しかったため、店のメニューに出したと言われています。現在では、30店舗以上のお店で焼きカレーが提供されており、「焼きカレーMAP」が作成されるほど定着しています。焼きカレーの定義は決まっていないようですが、・ カレーにチーズがかかっていること・ 焼いていることが最低限の条件のようです。たかがカレーと侮るなかれ。どの店舗もバラエティ豊かな焼きカレーを提供していますので、各店舗の趣向を凝らした焼きカレーを楽しんでみてはいかがでしょうか。 おわりに門司には、異国情緒を感じさせる景観から、グルメまで魅力が詰まっています。本州と九州をつなぐ玄関口である門司へ是非お越しください。64 ファイナンス 2019 Aug.連載各地の話題

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