ファイナンス 2019年8月号 Vol.55 No.5
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第二十回 天皇陛下御即位記念の祭典ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?皆さんは、日本の代表的な芸術・文化の祭典、というと何を思い浮かべますか?祇園祭など夏の風物詩の各地のお祭り、最近では現代アートの祭典(これまで紹介してきた大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭など)、個人的には大晦日の紅白歌合戦もそうかな、と思います。今回は、文部科学省(文化庁)、厚生労働省と都道府県(今年は新潟県)が主催して行う国民文化祭・にいがた2019と全国障害者芸術・文化祭にいがた大会を取り上げます。それぞれ34回目、19回目を迎える祭典で、2017年の奈良県大会から合同開催。例年秋開催で、新潟県では9月15日から77日間の予定です。そして、令和初の開催であり、天皇陛下御即位記念として位置付けられています。令和2年には宮崎県、令和3年には和歌山県で開催予定です。人間国宝と遊べる国民文化祭は国民体育大会の文化版とも言われていますが、個人の印象としてはだいぶ違います。同一のルールに基づき競技を行うものよりは、地域の歴史や風土等に基づいた各種事業がメインだからです。例を挙げると、世界に知られる佐渡の無む みょう い やき名異焼の第五代伊藤赤水氏と鎚つい き どう き起銅器の玉川堂から輩出された木目金の第一人者玉川宣夫氏という両人間国宝と、子供達が一緒に作品を作る贅沢なイベント「人間国宝と遊ぼう」。国指定の伝統的工芸品は、新潟県内に13産地、16品目にのぼり、京都府、東京都に次ぐ多さなのです。また、能の大成者世阿弥(観世流の祖)ゆかりの地佐渡の能舞台で観世宗家による舞が演じられる「佐渡・能楽の祭典」。佐渡は、順徳上皇、世阿弥、親鸞や日蓮などが、信仰や思想の対立から流された地で、京をはじめとする豊かな文化が脈々と続いています。今も全国の1/3を占める30以上の能舞台が残り、地域の暮らしに溶け込みながら薪能が演じられているのです。最後にしますが、「大凧プロジェクト」は、白根の大凧合戦など伝統文化である大凧を、開幕直後に特別支援学校や小中高校生の生徒が共同で制作し、展示する企画です。大凧の文化は全国にそれぞれありますが、新潟も盛んです。私も小学校の授業で作り、凧揚新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道伊藤赤水 窯変壷玉川宣夫 木目金花瓶52 ファイナンス 2019 Aug.連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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