ファイナンス 2019年8月号 Vol.55 No.5
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世界26か国から約150名が参加。債務管理の課題を幅広く議論開会挨拶をする鈴木馨祐副大臣令和元年6月20日(木)、21日(金)の2日間にわたり、第17回IMF公的債務管理フォーラム(17th IMF Public Debt Management Forum)が東京で開催された。このフォーラムは、当初、途上国に対する債務管理政策の浸透を目的として開催されていた。しかし、リーマン・ショック後、先進国を中心に国債が増発されたことを受け、平成21年には先進国が本格的に参加するようになった。以降は債務管理政策に関する幅広い課題共有の場に発展している。近年は隔年の6月に開催されており、17回目となる今回は、日本で初めての開催となった。世界26か国の債務管理当局や中央銀行、国際機関、民間金融機関、格付会社、学者等、各方面から約150名が参加した。今回は「New Investors & New Instruments」を主要テーマとし、世界経済や金融政策の動向、債務残高の上昇に直面する国の債務管理政策の在り方、電子取引をはじめとする技術革新が債券市場に与える影響など、近年の債務管理政策に関する課題について幅広い議論が行われた。鈴木馨祐財務副大臣による開会挨拶の後、テーマごとに6つのセッションが行われた。財務省からもセッション1、セッション3、セッション5で理財局と国際局の担当者が登壇した。各セッションでは財務省から説明を行い、参加者との間で活発な意見交換が行われた。財務省からの説明内容セッション1● 日本の債務管理政策や国債保有構造の変化についてセッション3● 今年のG20のテーマの1つにもなっている途上国における債務の持続可能性についてセッション5● アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の取組みについて本フォーラムの開催を通じて、我が国の政策や取組みを国際的に発信するとともに、債務管理に係る様々な課題について国際的な議論を深めることができた。日本でIMF公的債務管理フォーラムを開催IMF公的債務管理フォーラムのアジェンダ開催日内容6月20日(木)Opening RemarksKeynote AddressPanel Discussion 1:Global Debt Cycle, Outlook, and RisksPanel Discussion 2:Elevated Renancing Needs and Market Access ChallengesPanel Discussion 3:The Evolving Picture of Sovereign Debt:New Trends in Lending, New Kinds of DebtPanel Discussion 4:Evolution of Debt Markets:Technology, Regulation, and Market Structure6月21日(金)Panel Discussion 5:Local Currency Debt MarketsPanel Discussion 6:Innovation in Debt MarketsWrap-up and Closing Remarks ファイナンス 2019 Aug.9特集保有者層の多様化を通じた国債市場の安定国債の海外IR活動 財務省の取組み

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