ファイナンス 2019年8月号 Vol.55 No.5
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債務管理当局の 国際会議にも参加、情報を発信海外投資家には様々なタイプがあることから、海外IRでは、投資家のニーズに応じた、きめ細かな情報提供を実施している。当初は、各地でセミナーを実施し、大人数を対象に情報提供を行っていたが、こうした取組みによる認知度の向上等を受けて、近年ではセミナー方式に加え、投資家への個別訪問を強化している。平成30年度には、多くの海外投資家が所在するニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港等を訪問したほか、欧州地域では新たにポルトガルを訪問した。結果、全11回の海外IRを実施し、19か国28都市を訪問、面談回数は139件に上った。同時に現地のセミナーへの参加や講演も行っている。また、近年では、アジア地域から日本への債券投資が増加していることから、外貨準備運用担当者の情報交換の場である地域外準運用管理フォーラム(アジア開発銀行主催)に参加し、アジア・大洋州地域の中央銀行等を対象に日本国債の説明を積極的に行った。さらに、各国の債務管理当局が集まる国際会議にも積極的に参加し、日本の国債管理政策について説明している。平成30年度には、3つの国際会議に参加し、すべての会議で日本の債務管理政策について発表した。例えば、OECD Working Party on Debt Managementでは、日本が運営委員会のメンバーを務め、積極的に運営に貢献しており、平成30年11月の会議においては、3つのセッションで日本がプレゼンを実施した。海外だけでなく国内でも積極的に活動を行っている。例えば東京に事務所を構えている各国の中央銀行等のオフィスに出向き面談を実施。また、来日した海外の債務管理当局と面談し、市場動向や債務管理政策について意見交換を実施している。平成30年度に参加した国際会議開催月開催の目的国際会議名平成30年6月債務管理当局間の情報交換ADB Regional Public Debt Management Forum(新興国中心)平成30年11月OECD Working Party on Debt Management(先進国中心)平成30年10月外準運用担当者間での情報交換(発行体として参加)ADB Regional Forum on Investment Management of Foreign Exchange Reserve(新興国中心)19か国28都市を訪問し面談実施。海外現地のセミナーにも積極参加海外投資家との面談の様子平成30年度の海外IRの取組みReport 36 ファイナンス 2019 Aug.

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