ファイナンス 2019年7月号 Vol.55 No.4
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各地の話題このような港まちですが、市内のそこかしこで様々なたぬきの像を見ることができます。徳島県にはたぬきが関わる民話が多いようですが、これは小松島市の民話である「阿波狸合戦」が、昭和14年に映画化され大ヒットし、10数本の関連映画が製作されたことで、たぬきの街として全国の注目を集めたことから、主人公の「金長」をはじめとする様々な像が設置されているものです。【たぬきが小松島名物「竹ちくわ」を食べている「ちくわたぬき像」】その中でも、支署に隣接する小松島ステーションパーク内「たぬき広場」にある、高さ・胴回り共5mある世界一の金長たぬきの銅像は愛嬌ある姿をしており、像の前で手を打つとセンサーが反応して背後の両側にある高さ10m・幅30mの人工滝から大量の水が流れ落ちる仕組みで、市のシンボルとなっており、春と夏に開催される小松島市の祭における出し物は、像の前に設置されている舞台で繰り広げられます。【金長たぬき銅像前舞台での阿波踊り】たぬき像以外にも、広場隣にある「金長たぬき郵便局(動物の名が付いた全国初の郵便局)」では、たぬきの絵はがき等の販売や金長たぬきの消印を押してもらえます。また、阿波狸合戦の主人公である金長たぬきを商売繁盛や開運の神様として奉る「金長大明神」と呼ばれる神社が建立されているほか、市内数か所でたぬきが奉られているなど、昔からたぬきは市民に親しまれており、官民を挙げて「たぬきのまち」づくりに取組んでいます。【正一位 金長大明神】4阿南市 ~野球のまち~阿南市は、県南部のほぼ中心に位置する四国最東端部の市で、人口は県下2番目の約7万3千人、臨海部に工場地帯や国内最大級の火力発電所がある、県南の中核都市です。同市は、蛍光体や発光ダイオードの国内外の一大産地で、徳島県LEDバレイ構想(LED光産業集積計画)の中心地に位置付けられていることから、LEDイルミネーションを使用した「光のまち」としてまちづくりに取組んでいますが、より個性的なのは「野球のまち」としての取組みです。阿南市内にある富岡西高校は、本年開催された第91回選抜高等学校野球大会に21世紀枠で出場し、一回戦で敗れたものの優勝した東邦高校を相手に善戦(1-3で惜敗)しました。また、同校の応援はご当地色等を高く評価され、応援団最優秀賞を受賞しました。これは野球を愛する市民の気持ちが結実したものだと言えるのではないでしょうか。 ファイナンス 2019 Jul.67連載各地の話題

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