ファイナンス 2019年7月号 Vol.55 No.4
41/80

があると考えられるが、無業の女性のみに絞ってみても同様の傾向である。無業の30代女性の平成3年と平成28年を比較すると、家事は310分から209分と約100分短縮されており、その分育児に費やす時間が122分から196分と増加している。この家事時間短縮の背景には、共働き世帯の増加に伴い男性の家事参加が進み夫婦間の協働が進んだこと、時短家電である掃除機ロボットや食器洗い洗濯機、乾燥機付き洗濯機の普及等があると考えられる。そのうちの1つに調理の時短化も含まれるだろう。弁当や総菜等を取り扱う中食市場は外食市場と比較するとまだ市場規模が小さいものの、平成元年(1989年)の2.5兆円から平成29年(2017年)の7.7兆円へと、着実に拡大している。ワークライフバランスに対する考え方は人それぞれであり、技術の発展とも相まって変化していくものではあるが、女性・高齢者を始めとした多くの人にとって働きやすい環境が整うことは人口減少・少子高齢化に直面する日本にとって重要である。(図23)育児休業取得率の推移1.6 6.2 89.7 90.6 85.6 83.7 87.8 83.6 83.0 86.6 81.5 81.8 83.2 82.2 020406080100男性女性(出所)厚生労働省「雇用均等基本調査」(平成18年度以前は「女性雇用管理基本調査」)(%)(年度)(出所)厚生労働省「雇用均等基本調査」(平成18年度以前は「女性雇用管理基本調査」)(図24)1日の生活時間の変化0100200300400500交際・付き合い趣味・娯楽休養・くつろぎ家事仕事睡眠平成3年平成28年(分)(出所)総務省「社会生活基本調査」(出所)総務省「社会生活基本調査」(図25)女性の家事時間050100150200250平成381318232825~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~64歳(出所)総務省「社会生活基本調査」(分)(年)(出所)総務省「社会生活基本調査」(図27)外食と中食の市場規模推計05101520253035平成元712172227(兆円)外食中食(年)(注)中食は、料理品小売業を指す。(出所)日本フードサービス協会「JF外食産業市場動向調査」(注)中食は、料理品小売業を指す。(出所)日本フードサービス協会「JF外食産業市場動向調査」(図26)1日の生活時間の変化(女性・無業・30代)0100200300400500テレビ等休養・くつろぎ育児家事睡眠平成3年平成28年(分)(出所)総務省「社会生活基本調査」(出所)総務省「社会生活基本調査」 ファイナンス 2019 Jul.37平成を振り返る[前編]SPOT

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る