ファイナンス 2019年7月号 Vol.55 No.4
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業構造の変化の下で、アジア経済の成長を取り込むために海外進出を加速させたことが一因に挙げられる。実際、海外の現地法人企業数は、平成元年(1989年)の6,362社と比べると平成29年(2017年)には約4倍、25,034社まで増加し、特に地域別でみると、企業数・売上高共にアジアが北米のシェアを抜きトップとなっている。また、過去のファイナンス*1においても指摘されている通り、日本企業の海外進出が進んだ結果、現地調達率が上昇していることなどを背景に、為替の動きと輸出数量の動きの関係も近年希薄化してきている。モノと対比させてカネの流れについては、例えば、*1) ファイナンス(2018年6月号)「我が国の経常収支の構造変化:「貿易立国」から「投資立国」へ」対外直接投資は平成元年(1989年)と平成29年(2017年)を比べると世界全体の伸びと同程度の約15倍、日本も伸びており、貿易立国から投資立国へと変貌を遂げたことがみてとれる。(図7)貿易輸出額と対外直接投資(出所)、、日本銀行「資金循環統計」対外直接投資(備考)世界()と日本(資金循環統計)として異なる統計を使用しているため、留意が必要(世界:億ドル、日本:兆円)平成元世界(億ドル)日本(兆円)世界(16倍)日本(15倍)貿易輸出額世界(億ドル)日本(億ドル)世界(5.7倍)日本(2.7倍)(億ドル)平成元(年)(年)(出所)、、日本銀行「資金循環統計」対外直接投資(備考)世界()と日本(資金循環統計)として異なる統計を使用しているため、留意が必要(世界:億ドル、日本:兆円)平成元世界(億ドル)日本(兆円)世界(16倍)日本(15倍)貿易輸出額世界(億ドル)日本(億ドル)世界(5.7倍)日本(2.7倍)(億ドル)平成元(年)(年)(出所)WTO、UNCTAD、日本銀行「資金循環統計」(備考)世界(UNCTAD)と日本(資金循環統計)として異なる統計を使用しているため、留意が必要(図9)現地法人企業数・地域別分布北米30%アジア35%欧州19%中南米8%オセアニア5%中東1%アフリカ2%平成元年北米13%アジア66%欧州11%中南米6%オセアニア2%中東1%アフリカ1%平成29年(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」(図8)現地法人企業数の推移6,362 25,034 05,00010,00015,00020,00025,00030,000平成元234567891011121314151617181920212223242526272829(社)(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」(年)(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」(図10)現地法人企業の売上高・地域別分布北米47%アジア15%欧州29%中南米3%オセアニア5%中東1%アフリカ0%平成元年北米32%アジア45%欧州15%中南米4%オセアニア2%中東1%アフリカ1%平成29年(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」北米47%アジア15%欧州29%中南米3%オセアニア5%中東1%アフリカ0%平成元年中南米4%(出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」 ファイナンス 2019 Jul.33平成を振り返る[前編]SPOT

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