ファイナンス 2019年7月号 Vol.55 No.4
36/80

し、平成31年(2019年)1月には戦後最長の景気回復期間を更新した可能性が高いと指摘されており、経済の好循環の実現を背景に、経済のファンダメンタルズは確固たるものとなっている。民間給与の水準も6年連続で実施されている2%程度のベースアップを反映し、徐々にではあるが上昇してきている。勿論、米中貿易戦争や中国経済の減速等、外的要因による影響を日本も受ける可能性があり今後の動向を注視する必要はあるが、足元の情勢については別寄稿での分析に委ねたい。さて、国内のマクロ経済動向について振り返ってきたが、海外との関係にも目を向けると、国内経済の停滞やグローバル化を背景に世界における日本の立ち位置は大きく変化してきた。貿易面では、平成13年(2001年)の中国のWTO加盟などを背景に、世界の貿易輸出額は約5.7倍と急増した一方で、日本の貿易輸出額は約2.7倍と伸び率は半分ほどであった。この背景としては日本の製造業が国内産(図2)企業倒産件数7,15711,55714,56914,58014,20115,16215,03017,49617,27216,74118,78719,56518,58715,46613,18613,17013,33714,36616,14614,73213,06512,70711,71910,5369,5438,6848,3818,3678,1114,0006,0008,00010,00012,00014,00016,00018,00020,000(年度)(件)(出所)東京商工リサーチ(出所)東京商工リサーチ(図5)企業収益の推移0102030405060708090平成元234567891011121314151617181920212223242526272829(兆円)(出所)財務省「法人企業統計」(年)(出所)財務省「法人企業統計」(図6)民間給与の推移360380400420440460480平成元234567891011121314151617181920212223242526272829(万円)(注)民間給与は、1年を通じて勤務した給与所得者の年間の平均給与(出所)国税庁「民間給与実態統計調査」(年)(注)民間給与は、1年を通じて勤務した給与所得者の年間の平均給与(出所)国税庁「民間給与実態統計調査」(図4)不良債権処分損の累積額020406080100120平成4567891011121314151617181920212223242526272829(兆円)(年度)(出所)金融庁「金融再生法開示債権の状況等について」(出所)金融庁「金融再生法開示債権の状況等について」(図3)不良債権比率012345678910(出所)金融庁「金融再生法開示債権の状況等について」(年度)(%)(出所)金融庁「金融再生法開示債権の状況等について」32 ファイナンス 2019 Jul.SPOT

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る