ファイナンス 2019年6月号 Vol.55 No.3
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米国では紙幣の数字が 小さいことで訴訟にも海外の状況を見ても、主要国はおおむね10~20年間隔で改刷を実施している。たとえば、ユーロ圏などは2013年以降、ほぼ毎年のように何らかの紙幣の改刷を行っている。日本のように長期間、改刷をしていない国は見当たらない状況だ。とくにユニバーサルデザインは世界的な流れとなっている。たとえば、裁判の国として知られる米国では、紙幣の数字が小さいと国が訴えられ敗訴している。それを受けて改刷の際には、数字を大きくするデザイン変更が行なわれた。また、ユーロは誕生当初からユニバーサルデザインの考え方が取り入れられ、2002年の紙幣発行当初から、数字を大きくする、額面ごとに色の基調を変えるなどの工夫が施されている。今回の紙幣の改刷に当たっても、このような世界的な動向に合わせ、数字を大きくするなど、デザインの工夫が行なわれる。主要国の改刷状況 国名アメリ力ユーロ圏イギリスカナダ日本通貨ドルユーロポンドドル円2000年5・101020002001年102002年5・10・20・50・100・200・500552003年202004年5020・50・1001000・5000・100002005年10改刷なし2006年1052007年202008年52009年2010年2011年501002012年50・202013年10055・102014年102015年202016年52017年50102018年102019年~5・10・20100・20020※各国とも欄内の数字は額面。網掛けは同一シリーズ。出典:国立印刷局調べ主要国は10~20年間隔で実施。ユニバーサルデザインは世界の流れ海外の改刷の状況は?4 ファイナンス 2019 Jun.

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