ファイナンス 2019年6月号 Vol.55 No.3
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特集2004年以来、約20年ぶりの刷新へ新しい紙幣・硬貨発行の意義と最新技術財務省は新しい紙幣及び500円硬貨の発行を公表した。新しい紙幣は2024年度上期から発行予定で実に20年ぶりの改刷となる。今回の改刷の目的と新しい紙幣や硬貨に採用される最新技術についてレポートする。取材・文 向山勇紙幣の印刷を行う国立印刷局には、高度な技術と芸術的センスを持った工芸官というデザインや彫刻の専門職員がいる。工芸官は、紙幣のもとになる絵(原図)を、筆や色鉛筆を使って精密に描いていく。紙幣の原版作成。原図をもとに、ビュランという特殊な彫刻刀を使って、金属板に点や線を一本一本刻み込んでいく。紙幣の印刷には特殊なインキが利用される。顔料とワニスなどを独自の配合で練り合わせ、独特な美しい色合いと、優れた機能をあわせ持ったインキを作る。傾けることで色や模様が変化して見えるホログラムは偽造防止に役立つ。印刷工程で貼り付けていく。出典:国立印刷局ホームページ(URL:https://www.npb.go.jp/ja/intro/seizou_photo.html)2 ファイナンス 2019 Jun.

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