ファイナンス 2019年5月号 Vol.55 No.2
80/96

根室淡水からなる汽水湖で国内有数の野鳥の楽園であり、国の特別天然記念物のタンチョウやシマフクロウ、オジロワシなどが繁殖し、10月中旬には数千羽のオオハクチョウが飛来して羽を休める光景も見られます。〔知床半島(羅臼町)〕オホーツク海の南端に突き出した長さ約70kmの狭長な半島で、中央部には最高峰の羅臼岳(1,660m)をはじめとする1,500m級の山々(知床連山)が連なり、稜線から海岸までに平地が僅かしかない急峻な半島になります。そのために人の手がほとんど入らず、周辺海域を含む「知床国立公園」は、原生的な自然が残された野生生物の宝庫として多くの生命を育み、平成17年には「世界自然遺産」にも登録されています。 【催し】〔かに祭り・さんま祭り〕根室特産「花咲ガニ」と北海道の秋の味覚「サンマ」を堪能できる催しで、毎年9月に根室港の特設会場にてそれぞれ開催されます。真っ赤に茹で上がった茹でたての花咲ガニと、脂が乗った旬のサンマを自分でその場で焼いた炭火焼サンマは、贅沢この上ない一品です。それぞれ市価より安く販売もされており、沢山の市民・観光客が買い求める人気の品です。 【グルメ】〔エスカロップ〕知る人ぞ知る根室を代表するご当地料理の「エスカロップ」。バターライスにデミグラスソースをかけたトンカツをのせ、サラダを添えたワンプレート料理で、市内随所でそれぞれのお店の特色を生かした味が楽しめます。元々は、地元の漁師が手早く満腹感を得られるメニューとして、昭和38年頃に根室市の洋食店のシェフが考案したとされ、語源は諸説あるようですが、一般的にはフランス語の「エスカロープ」(肉の薄切り)とされています。〔根室さんまロール寿司〕根室産のサンマを根室産の棹前昆布で巻いたもので、使用する米や調味料も北海道産を使用するなど、地産地消にこだわった逸品です。「根室さんまロール寿司」を名乗るには厳格なルールが存在し、使用する材料産地はもちろんのこと、大きさや重量、販売価格までも定められており、その中で各お店の特色を生かした味付けやサービスで競い合っています。 【おわりに】根室税務署管内には、まだまだご紹介しきれない魅力が満載です。北海道の中心地である札幌からJR(鉄路484km)での移動で6時間、航空機を併用しても4時間と、多少遠くに感じられるかもしれませんが、手付かずの大自然と豊かな海の幸が皆さんの来根をお待ちしております。なお、お車でお越しの際には、野生のエゾ鹿との衝突に十分お気をつけください。(時折、ヒグマも出ますが……)【写真提供】根室市観光協会、北海道根室振興局76 ファイナンス 2019 May.連載各地の話題

元のページ  ../index.html#80

このブックを見る