各地の話題 【はじめに】根室税務署は、明治30年4月、根室税務管理局の創設と同時に、その下部組織として設置され、北海道で最も歴史が古い税務署の一つに挙げられます。当時の管轄には択捉島を除く千島列島全域が含まれ、明治37年の紗那税務署（択捉島）の廃止に伴う管轄区域の合併により、事実上、現在まで、北方領土四島（歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島）は根室税務署の管轄となります。管内人口は1市4町（根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町）で約76,000人と決して多くはありませんが、管轄面積（約3,440km2）は鳥取県と同程度の広さとなり、これに北方領土（約5,000km2）を加えると、広島県に匹敵する面積になります。管内の基幹産業は、沿岸部の漁業と内陸部の酪農に大別され、古くから漁業の町として栄えた根室市は、サンマ水揚げ量日本一と花咲ガニで有名です。また、北海道全体の約16％を占める海岸線（約479km）は、秋サケ、スケトウダラ、ホタテ、コンブなど、豊かな海の幸をもたらし、ふるさと納税の返礼品としても人気を博しています。酪農は、消費の落込みや後継者不足、市場の国際化など厳しい環境にありますが、広大な土地活用による機械化・大型化などを推進することで経営を安定化させ、国内有数の生産量を誇る生乳は、バター、チーズ、アイスクリームなど様々な加工品の原材料としても有名です。 【管内の名所】〔納の沙さっ布ぷ岬みさき〕本土最東端（北緯43度23分、東経145度49分）に位置し、日本で一番早く朝日を見ることができ、毎年、大晦日の夜から元日にかけて、多くの人が訪れます。晴れた日には、知床半島に連なる知床連山や北方領土の島々を眺めることもでき、最も近い貝殻島（北方領土歯舞群島）までの距離は約3.7kmしかありません。また、岬から望む一面の海には四季折々の表情があり、周囲を流氷に覆われる冬の景観は幻想的な雰囲気を楽しむことができます。〔春しゅん国くに岱たい〕根室湾と風蓮湖を区切る長さ8km、幅1.3kmの長大な砂州で、ラムサール条約の登録湿地であり、国内最大級のハマナスの群生地でもあります。風蓮湖は、海水と本土最東端 朝日に一番近い街 根室根室税務署 総務課長佐藤 敬司根室択捉島国後島色丹島歯舞群島 ファイナンス 2019 May.75連載各地の話題
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