ファイナンス 2019年5月号 Vol.55 No.2
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第十八回 過去と現在と、香川と新潟のつながりニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?平成から令和になり、婚姻届や出産など、大型連休中も節目の明るいニュースが多かったですね。先月号で万葉集関連のスポットに触れました。ネットで調べても、万葉の道、万葉の里、万葉の岬、万葉の島といった万葉を冠する地域が多くあり、万葉の島でも、神島(三重県)、沙弥島(香川県)、祝島(山口県)、五島列島(長崎県)等を見つけることができました。万葉集を通じ、全国各地で過去と現在のつながりを体感できるなあと感じた次第です。万葉の島へその中で、今回は瀬戸大橋の四国側玄関の坂出市にある沙しゃ弥み島じまを訪問しました。沙弥島は、埋め立てにより現在は陸続きになっています。ここは、万葉集を代表する歌人である柿本人麻呂が立ち寄り、万葉集に収められている長歌1首、反歌2首を詠んだ場所です。「玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか」で始まる長歌に触れ、今の素晴らしい海や島々を眺めながら、約1300年前の人物が見た風景に思いを馳せることができました。この島は、縄文時代以降の遺跡や古墳も見つかっており、全国各地の縄文文化や全国に約16万もある「古墳」を巡るのもいいと感じました。自然にハイキングにもなり、心身にもプラスです。島の魅力を引き出す芸術祭そして、この沙弥島は、4月から開催されている瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)の舞台である12の島と2つの港のひとつにもなっています。3年に1度開催されるトリエンナーレ方式で、今年で4回目。春、夏、秋と1か月強ずつ開催されています。約100万人の来場者を数え、大地の芸術祭と並び日本を代表する芸術祭となっています。財務省の先輩の浜田恵造香川県知事が、実行委員会の会長です。せっかくなので、沙弥島のほか、女め木ぎ島じま、男お木ぎ島じま、大おお島しまに船で訪れました。女木島は、桃太郎の鬼退治の舞台であり、鬼ヶ島とも呼ばれています。新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道写真(1) 柿本人麻呂の歌碑が立つ沙弥島と瀬戸大橋54 ファイナンス 2019 May.連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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