ファイナンス 2019年5月号 Vol.55 No.2
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らみた泡盛メーカーの現状と課題について(2018年7月)など○設備投資動向調査沖縄における主要企業*18の設備投資計画の動向について年2回(3月、9月)、約260社を対象にアンケートを行って分析し、「公庫レポート」として発行している。○県内企業景況調査沖縄における企業の景況判断等について年4回、約360社の県内企業*19を対象にアンケートを行って分析し、「景況トレンド」として毎年発行している。○経済ハンドブック沖縄県の産業経済に関する主要な統計等を網羅した「沖縄経済ハンドブック」を発行している。(1) 沖縄経済の概観~沖縄経済ハンドブックをもとに上記の沖縄経済ハンドブックでは、「『沖縄経済ハンドブック』から読み解く沖縄経済」を巻頭に掲載している。まず、これ(2018年版(2018年10月発行))から紹介することとしたい。○地勢・離島県~日本の辺境からアジアの中心へ(アジア主要都市から4時間航空圏内)・島嶼県~37の有人離島(長崎県に次ぐ第2位)・米軍基地~全国の米軍専用施設面積の7割が集中*18) 県内の主要企業について原則として従業員50人以上の企業(第三セクターを含む。但し、金融保険業、医療業を除く。)を対象としている。*19) 沖縄県に本社のある法人企業のうち、原則として資本金1千万円以上かつ従業員数20名以上の企業を対象とする。*20) 筆者は、前職の内閣府大臣官房審議官のときに、小巻泰之氏(現・大阪経済大学経済学部教授)のお誘いで、日本大学経済科学研究所「地域創生に向けた地域動向の基礎的把握」研究プロジェクト第4回研究会(2017年2月18日~20日開催)に参加した際、島根県の統計担当者の「県民経済計算の推計にあたっての諸課題について」という報告を拝聴する貴重な機会を得た。推計方法、推計に用いるデータ、県民経済計算の利活用にそれぞれ大きな課題があることを知った。最近、統計については様々な改革の議論がなされているが、その対象が、主に国の統計にとどまっており、地方自治体の統計については置き去りにされている感がある。*21) 前出1.で問題点は指摘した。ここでは、沖縄県の県民経済計算の巻末の参考資料をそのまま使用して算出している。○人口・雇用・人口動向~社会増減数 マイナスに転じる(△234人)・人口構造~年少人口割合 全国一(17.4%)、老年人口割合 最下位(19.6%)・産業構造~産業別の就業者割合は第3次産業 8割弱、復帰後、第1次産業で大幅減(18.1%→4.3%)、第3次産業で大幅増(61.0%→79.9%)・雇用情勢~有効求人倍率は2年連続で1倍台(全国では最下位)・失業率~失業率改善(3.8%)も、若年失業者割合依然高し(29.6%)○県民所得・産業構造・県民所得(1人あたり)*20~全国比7割、最下位変わらず(2,311千円)・県内GDP構成~個人消費約6割、民間設備投資約1割、移輸入大幅超・主要項目GDP比~財政支出 全国比高ウェイト、観光収入約1割*21、基地関連収入割合は復帰時の約3分の一・経済成長率~全国より高めに推移・産業構造~第三次産業偏重型、第二次産業は製造業構成比低く、建設業高い・事業所数~卸・小売業や宿泊・飲食サービス業の構成比が高く、医療・福祉業の伸びが顕著・貯蓄水準~全国比約4割に留まる○産業トピックス・農産物生産量~サトウキビ・パインアップルはピーク時から大幅減、平成期はマンゴーや花き等が増加・製造業主力製品~食料品、飲料、窯業土石、金属製品、鉄鋼(建設資材関連)、石油製品は近年大手が撤退・泡盛出荷量~県内、県外ともマイナス基調続く・泡盛酒造所(図表2参照)~蔵元は過疎地や小離島にも点在・建設業~業者は復帰時から倍増、個人業者割合が約4分の一、法人は資本金1千万円未満が約半分図表1 ハンドブック等 ファイナンス 2019 May.27「魅せる沖縄」の今後SPOT

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