ファイナンス 2019年5月号 Vol.55 No.2
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2情報の活用海外から日本に入国する旅客や乗組員については、航空会社から電子的に提供される旅客等の氏名、国籍、旅行日程等の乗客予約記録(入国PNR)情報を活用して不審者のスクリーニングを行っており、また、輸入される貨物については、船会社等から事前に報告される積荷情報をテロ関連物資の密輸取締りに活用しています。3関係機関との密接な連携テロに対する取締りには、政府が一体となって取り組むことが不可欠です。このため、門司税関では警察、海上保安庁、出入国在留管理庁等の関係機関と日頃から緊密な情報交換を行うとともに、合同でテロ対策訓練を行うなど、連携を強化しています。今年2月、テロ対策訓練での関係機関による爆発物撤去作業( 門司税関博多地区国際貨物検査センター)また、不正薬物及び銃器の密輸防止のため、民間の関係団体からの不審情報の提供等の協力を得ることを目的に締結していた覚書について、大規模なイベントの開催を見据えたテロ関連物資と社会問題化している金地金の密輸取締りの強化を新たに盛り込み、昨年10月の日本関税協会門司支部保税部会を皮切りに、管内各地で順次再締結を行っています。福岡市においては今年3月、日本遠洋旋網漁業協同組合(福岡市中央区)と覚書の再締結式を行いました。漁港等の第一線で働く組合員との協力関係がさらに強化されることを確認し、今後のテロ関連物資等の密輸防止に効果を発揮するものと期待されます。4おわりにテロ組織は、国際的なネットワークを巧みに利用し、様々な密輸手口を用いて爆発物などのテロ関連物資の密輸を試みてきます。国民生活の安全・安心を脅かすテロを絶対に国内で起こさせてはなりません。そのために税関では、水際対策の強化を最重要課題の一つと位置付け、取締検査機器や情報の活用、関係機関及び民間の関係団体との連携・協力により、目前に迫った財務大臣・中央銀行総裁会議等に向け、水際でのテロ対策をより一層強化・加速化し、万全を期して参ります。「テロ対策取締強化実施」の横断幕を掲げて巡回する監視艇「ひびき」右手より門司税関長、日本関税協会門司支部長、門司支部保税部会長右手より門司税関監視部長、日本遠洋旋網漁業協同組合理事長 ファイナンス 2019 May21

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