ファイナンス 2019年5月号 Vol.55 No.2
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考えています。また、イベントには地域住民の方々にも参加いただき、お越しになった海外の方々と交流していただきたいと考えています。歓迎レセプション6月8日の会議終了後には、福岡市と九州経済連合会との共催で、歓迎レセプションを開催する予定です。地元の食材を使用した料理の提供やステージ演出、福岡・九州の魅力を発信するためのプロモーションブースの設置などを行い、会議の開催都市として、会議参加者等に歓迎・おもてなしの意を表するとともに、福岡・九州の魅力を発信します。お越しになった方々に、福岡に来てよかったと思っていただき、自国に戻られて、福岡や九州について情報拡散していただくことにつながるような場を目指したいと考えております。(3)その他、会議に向けた取組み機運醸成やおもてなしといった事業のほかにも、G20福岡が円滑に進行し、無事に終了するよう、また、市民生活への影響が最小限に抑えられるよう、様々な取組みを進めています。万が一の事態に備えて多数の要人やメディア関係者が来訪され、また、会議の議論の行方には世界の注目が集まることから、テロ発生等の危険度が高まると考えられます。警備や交通対策を主導する福岡県警察においては、昨年4月に約70名体制の「G20サミット対策課」が設置されており、我々福岡市のスタッフとも、会議の成功という共通の目標のもと、日々連絡を取り合うなど緊密に連携をいただいています。また、福岡市も、地下鉄や道路、水道などのインフラを管理・運営していますし、消防・救急も所管していますので、会議関係者や市民の皆様の安全が確保されるよう、全市をあげて危機事案等に対処できる体制を構築することとしております。近隣の医療機関にも連携・協力をいただき、会議中に要人が急病を発症した場合などにも迅速かつ適切な処置が行える体制づくりも進めています。市民生活への影響を最小限に(交通総量の抑制)G20福岡の期間中は、警備の都合上、会場周辺をはじめ市内の各所で、大規模な交通規制や検問が実施されます。このため、市民生活や経済活動への影響を最小限に抑えることを目的とし、官公署や交通事業者、運送等の業界団体などをメンバーとした「G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議 交通総量抑制連絡協議会」(事務局:福岡市、福岡県警察本部)を昨年7月に設置しており、これまでに会議を2回(5月に第3回会議を予定)、実務者によるワーキンググループ会議を3回開催しました。会議期間中の福岡市内の交通量を「正月並み」、通常の交通量と比較して40パーセント削減することを目標に、マイカー利用の自粛や公共交通機関の利用をテレビCMやインターネット広告、ポスターやチラシなど様々な媒体を通して呼びかけるほか、運輸・運送業界において業務用車両の運行調整を行うなど、各構成団体が協力し、また、役割分担しながら、市内の交通量削減に向けた対策に取り組んでいます。4 結びにかえて会議の開催がいよいよ目前に迫ってまいりました。冒頭に述べたとおり、G20福岡は、福岡市がこれまでに経験したことのない、ハイレベルの会議です。一方で、G20福岡の開催は、市の魅力を国内外に広く発信し、MICE都市として一つ大きくステージを上げる絶好のチャンスでもあります。地元のスタッフとして、主催の財務省・日本銀行の皆様、警備を実施していただきます福岡県警察の皆様、関係機関・経済界の皆様などと緊密に連携・協力して、万全の体制でお迎えし、おもてなしできるよう誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。執筆者: 井手 俊輔(いで しゅんすけ) 福岡市総務企画局主査 (G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議担当) ファイナンス 2019 May17

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