ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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各地の話題 はじめに中部空港税関支署は、平成17年2月17日、中部国際空港の開港とともに設置され、所在地は愛知県常滑市となります。この常とこ滑なめの土地柄は、粘土質が豊かな床(常)が滑らかであるという市名の由来のとおり、平安時代末期頃から焼き物の産地として知られており、日本六古窯のうち最も古く最大の規模の焼き物の産地と栄え、現在では焼き物のほか衛生陶器の製造等陶磁器産業が盛んな地域です。中部国際空港は、通称「セントレア(centrair)」と呼ばれていますが、中部地方を意味する「central」と空港「airport」を合わせた造語であるとご存知でしょうか。今回は、開港14周年を迎えたセントレアにまつわる話題をご紹介したいと思います。 空港島内の話題愛知県は、自動車・航空機・電子機器・陶磁器・繊維等のさまざまな産業が集積しており、経済産業省平成30年工業統計速報によると、製造品出荷額等は約47兆円と全国のおよそ15%を占め、41年連続日本一のものづくり県となっており、世界経済を牽引していると言っても過言ではありません。製造品の多くは海上輸送により名古屋港から輸出されますが、このものづくり県の玄関口として位置する中部国際空港は、ものづくりを担う人々や産業観光目的として訪日する外国人旅客が行き来する空港として交通の要所となっています。今後の持続的成長を見据え、賑わいの創出、空港機能の強化の取組みが急速に進行し、開港以来の大規模開発事業が展開されていますので、今回は空港島内の新スポットに焦点を当てて、紹介させていただきます。(1)FLIGHT OF DREAMSFLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ:FOD)は、2018年10月12日、空港島内に開館したボーイング787初号機の展示を中心とした複合商業施設です。ボーイング社の最新鋭機ボーイング787型のおよそ35%が中部地域で製造されており、その部品はセントレアから専用輸送機である「ドリームリフター(通称)」により米国シアトルの同社に空輸され組み立てられています。ちなみにドリームリフターは国内では、唯一セントレアのみ飛来しており、その姿を写真に収める航空機ファンの姿もよく見られます。【787の部品をシアトルへ空輸するドリームリフター】ものづくり県の玄関口として 成長を続けるセントレア名古屋税関中部空港税関支署税関広報広聴官三宅 和寿常滑市 ファイナンス 2019 Apr.73連載各地の話題

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