ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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和歌山市4和歌山ラーメン通常は、「中華そば」と呼ばれる和歌山のラーメン。和歌山中華そばは、昭和中期、和歌山市内での屋台営業が始まりで、当時の繁華街では何軒もの屋台が軒を連ね、競い合うよう賑わい、その後、屋台は市内各地で店舗となり、現在の中華そば文化を作り上げています。1990年代後半、某テレビ番組の「日本一うまいラーメン決定戦」において、和歌山市の某ラーメン店が優勝したことから、全国的に和歌山ラーメンが注目されることとなりました。和歌山ラーメンのスープは、基本的に豚骨醤油味で、醤油ベースと豚骨ベースの二種類があります。麺は縮れのないストレートの細麺。具はチャーシュー、メンマ、ナルト模様が入った蒲鉾、青ネギが少々と至ってシンプルなラーメンです。和歌山ラーメン店の特徴として、カウンターやテーブルに必ずと言っていいほど、ゆで卵と早寿司や巻き寿司が置かれています。早寿司とは、一口サイズのサバの押し寿司です。このゆで卵と早寿司等は、客が勝手にカウンター等から取って食べ、精算時にラーメンと一緒に自己申告することとなります。ブームから20年以上経過しますが、今でも有名店では、休日には他府県からの観光客などにより行列ができています。和歌山ラーメンは比較的全国的に知られておりますので、ここで、もう一つ、多くの和歌山市民が口にしたことのある、てんかけラーメンを紹介します。こちらは中華そば店ではなく、元々はお茶の製造販売をしていた店で食べられるラーメンで、店は安政元年(1854)創業と歴史は古く、昭和33年(1958)お茶の販売に加え、抹茶入りソフトクリームを販売、その後、昭和42年(1967)からてんかけラーメンの販売を開始し、現在は和歌山市周辺の6店舗で営業を行っています。てんかけラーメンは、たっぷりの天かすに、わかめ、ガリ生姜がトッピングされており、塩と醤油の中間のようなスープでまろやかであっさりしたラーメンです。価格は400円程度とリーズナブルで、日中、サラリーマン、学生等で賑わい、和歌山市周辺の老若男女に愛されているラーメンです。和歌山ラーメンてんかけラーメン5おわりに主に和歌山税関支署周辺の案内でしたが、和歌山県には平成16年(2004)に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」である高野山、熊野古道のほか、パンダで有名な南紀白浜など見どころが満載ですので、是非、和歌山県へお越しください。【参考文献】「大阪税関百五十年史」(大阪税関)「わかやまし観光ガイド」(和歌山市観光協会・和歌山市観光課)72 ファイナンス 2019 Apr.連載各地の話題

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