ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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各地の話題探幽作の壁画があり、徳川家ゆかりの刀剣なども収められています。紀州東照宮○紀き三み井い寺でら紀三井寺は、宝亀元年(770)、唐僧の為光上人によって開かれ、和歌山城からほど近いところにあるため、歴代藩主が訪れ、紀州徳川家の繁栄を祈願した寺です。寺内には、藩主が訪れた際に利用した「紀州徳川家 御お成なり御ご殿てん」がありますが、残念ながら、一般公開はされていません。早咲きの桜が有名で、また西国第2番札所でもあり、巡礼姿のお遍路さんが杖を突きながら、お参りしているのが見受けられます。紀三井寺○長ちょう保ほう寺じ和歌山市内の紀州徳川藩のゆかりの地を紹介してきましたが、長保寺は、和歌山市の隣、海南市下津町にある寺で、平安時代中期の長保2年(1000)、一条天皇の勅願により創建され、長保の年号を取って寺号にしたと言われています。寛文6年(1666)、初代紀州藩主徳川頼宣は、長保寺を紀州徳川家の菩提寺に定め、頼宣以降の歴代藩主が眠っています。なお、歴代藩主のうち、5代徳川吉宗(後の8代将軍)と13代慶福(後の14代将軍家茂)は、後に将軍となったため、長保寺に墓碑はなく、墓は東京にあります。大門、多宝塔、本堂は国宝となっており、また、境内には桜をはじめ牡丹や紫陽花が咲く花の寺としても有名です。国宝の大門、多宝塔、本堂 ファイナンス 2019 Apr.71連載各地の話題

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