ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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「地域おこし協力隊任期終了者アンケート」の概要(1)【受入前】・市町村と地域のビジョンのすり合わせ・受入体制づくり協力隊として移住いきなり・定住・地域活性化の担い手【結論】〇市町村・受入地域・隊員とでコミュニケーションが取れ、協働関係が築かれることが、隊員の成長、地域活性化に結びつき、結果として定住につながる。〇受入市町村においては、隊員が最初から定住することを前提として活動させたり、単なる作業に従事させるのではなく、隊員と地域住民の協働の機会や隊員が存分に活動できる環境の確保に努めることが重要。※アンケートの分析結果については、次頁のとおり。コミュニケーションの機会創出(まずは地域に溶け込む)隊員のやりたいこと・地域の進めたいこと等のすり合わせ「協働」の関係構築隊員の成長地域活性化相互に結びつき地域の一員となり、地域での暮らしに生きがい定住起業【調査方法】(1)調査対象新潟県内市町村で活動していた地域おこし協力隊の任期終了者(活動期間を問わず全員)対象者数:(対象自治体:団体)アンケート送付数:(送付自治体:団体)回収数:(回収自治体:団体)回収率:%対象者数:平成30年7月1日時点の任期終了者数(3年未満で退任した者を含む。)(参考)新潟県の地域おこし協力隊の定住状況(出所:総務省「平成29年度地域おこし協力隊の定住状況等調査に係る調査結果」(平成29年3月31日までの任期終了者を対象))任期終了者:95人定住者:63人定住率:66.3%(2)分析の視点アンケート結果を、地域おこし協力隊の効果の3本の軸によりグループ分けし、両者の比較分析や各軸の相互関係の分析を実施。(軸1)隊員の地域への定住(軸2)活動をとおした隊員本人の成長(軸3)隊員が入った地域の活性化<隊員が定住するまでのステップアップのイメージ>「地域おこし協力隊任期終了者アンケート」の概要(2)〇隊員が自分の成長や自分が地域に入ったことによる地域の活性化を実感していた場合、その隊員が定住する可能性は高くなる。〇隊員本人の成長と地域の活性化は、相互に結びついており、いずれかが高い場合、もう一方も高くなる傾向がある。〇任期期間中、隊員が行事等への参加など地域の住民と接する機会が多い場合、地域側において隊員受入前に外部人材との交流がある場合、住民・行政担当者との活動共有がされる機会があった場合、行政担当者と信頼関係が構築されていた場合には、隊員が成長・地域活性化を実感しやすい傾向がある。・地域活性化感の平均値(※地域活性化感の考え方:を「変化なし」とし、~で表す。)①隊員の成長度高のグループ:②成長度低のグループ:・隊員の成長度の平均値(※隊員の成長度の考え方:を「変化なし」とし、~で表す。)①地域活性化感高のグループ:②地域活性化感低のグループ:〇最初からその地域に「定住」するつもりで地域おこし協力隊になった人は少数(回答者の中で定住した者のうち)であり、半数以上の隊員(回答者の中で定住した者のうち)は、任期期間中(特に2~3年目)に定住することを決めている。隊員の成長度による比較・隊員受入前の外部人材との交流の有無成長度高のグループ:成長度低のグループ:・地域の①作業②行事③団体の参加度合い高い順から段階で回答成長度高のグループ:①②③成長度低のグループ:①②③・任期中の業務内容が「市町村内の特定の地域にかかわる業務」であった割合成長度高のグループ:成長度低のグループ:・住民との活動状況共有の有無日頃のコミュニケーション成長度高のグループ:成長度低のグループ:・任期中の行政の対応の柔軟性高い順から段階で回答が「」以上の割合成長度高のグループ:成長度低のグループ:地域活性化感による比較・任期中の業務内容が「市町村内の特定の地域にかかわる業務」であった割合活性化感高のグループ:活性化感低のグループ:・住民との活動状況共有の有無日頃のコミュニケーション活性化感高のグループ:活性化感低のグループ:・任期中の行政の対応の柔軟性高い順から段階で回答が「」以上の割合活性化感高のグループ:活性化感低のグループ:・定住した人の割合①隊員の成長度高のグループ:②隊員の成長度低のグループ:①地域活性化感高のグループ:②地域活性化感低のグループ:【アンケート分析結果の概要】 ファイナンス 2019 Apr.57ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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