ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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す。キャロライン・ケネディ前駐日米国大使や広島、岡山、愛媛の3知事も参加されました。このように、山や海などの自然は魅力的に映り、リピーターも多いので、各地でこういったイベントが開催されることを期待しています。●海外における武道への期待武道に関して、米国、中国、韓国、オーストラリアなど7か国でアンケートを実施して、「日本で見たいスポーツは何か」を聞いたところ、1位が武道(31.0%)、2位が大相撲(28.5%)となりました。人気のある空手、柔道、剣道といった武道は、見るだけではなく、実際に参加したり、写真を撮ることなどを通じて、更に多くの外国人に来てもらえるのではないかと思います。我々としてもしっかり取り組んでいきたいと考えており、先日、武道ツーリズムのプロモーションビデオを作りました。このビデオはYouTubeで3百万回以上再生されているように大変な人気となっています。外国の方とお会いすると、「剣道は日本ではなく私の国が発祥の地だ。」と主張される方もいらっしゃいます。空手などでもそういうことが言われます。こういった認識を正すためにも、これらの武道は日本発祥の、日本の誇るべきキラーコンテンツであることを世界に知らしめるためのイベントや催し物をやっていこうと考えています。エ. 国際競技力の強化とスポーツ・インテグリティの確保●スポーツ・インテグリティへの取り組み昨年は、平昌冬季オリンピック・パラリンピックで羽生結弦選手などが大活躍してくれました。また、サッカーのワールドカップでも日本が南米の強豪コロンビアを倒した時には小躍りしたくなるような気持ちでした。こうした良い流れを次につなげていくために、2020年の東京大会で日本人選手が活躍できるよう我々もしっかりサポートしていきます。同時にスポーツ・インテグリティ(誠実性・健全性・高潔性)の確保に努め、スポーツ・インテグリティの分野では日本人選手が常に世界一になるように、関係者と力を合わせて取り組んでいます。昨年は、アメフトの悪質タックル、体操やレスリングでのパワハラ、ボクシングでのガバナンス欠如等、スポーツ界の不祥事がたくさんありました。そこで、競技団体を招集した緊急集会・声明においても、インテグリティやガバナンスにしっかり取り組んでいただくことを要請しています。メダルを獲得しても行動に問題があるようでは国民の支持は得られません。スポーツ界が率先して改革を進めていく、日本を変えていく気持ちで今取り組んでいます。●国際競技力の向上「鈴木プラン」国際競技力の向上に関しては、子供の数が少なくなる中、いかに効率的に選手の強化育成を図るかが重要です。我々は、国際競技力向上のための今後の支援方針として「鈴木プラン」というものを作りました。この中に「次世代アスリートの戦略的な発掘・育成」という項目があります。中学や高校では、毎年体力テストを行っています。この体力テストのデータを入力して送ってもらうのです。テストの結果が良い生徒を選海外における武道への期待サイクリングしまなみ2018のスタートラインに立つ鈴木長官50 ファイナンス 2019 Apr.連載セミナー

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