ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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ところに会長就任のお話がありましたので、喜んで引き受けました。こうした考えから、オリンピック招致活動もしてきましたし、2015年10月にはスポーツ庁長官の職を引き受け、今に至っています。スポーツ庁長官就任後も、日本オリンピアンズ協会会長、国際水泳連盟理事などを続けています。3.スポーツ庁の取組ここからはスポーツ庁の取組についてお話しします。(1)スポーツ庁の組織・業務スポーツ庁は文部科学省の外局として、文化庁と兄弟関係にあります。約130名体制で業務を遂行しており、文部科学省だけでなく、民間企業や、外務省、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、農林水産省、地方自治体、独立行政法人、大学等様々なところから出向してもらっています。業務内容は幅広く、学校体育全般、厚生労働省から移管された障害者スポーツ、それに加えてスポーツを通じた地域振興、さらにスポーツでお金を稼ごう、ということで民間スポーツにも取り組んでいます。(2)第2期スポーツ基本計画我々はスポーツ基本計画というものを策定しており、現在その第2期(2017年4月~2022年3月)で、スポーツ立国を目指して頑張っているところです。一口にスポーツと言いましても、いわゆる競技スポーツだけがスポーツではありません。散歩やウォーキング、サイクリング、ハイキング、ダンスや健康体操といったものもスポーツに含まれます。また、スポーツの定義は国により異なります。英国ではガーデニングもスポーツに含まれます。スポーツの語源はラテン語の「deportare」、すなわち「楽しみ・娯楽・気晴らし」です。スポーツから競技をイメージしてほしくありません。私は、スポーツはもっと楽しいもので、気軽で手軽なんだよ、と言っています。そこで「するスポーツ」だけではなく、「みるスポーツ」「ささえるスポーツ」という形も含めたスポーツ参画人口を増やしていくことを目標にしています。(3)第2期スポーツ基本計画での主な取組第2期スポーツ基本計画には次の4つの指針があります。・スポーツで「人生」が変わる!・スポーツで「社会」を変える!・スポーツで「世界」とつながる!・スポーツで「未来」を創る!この4つの指針のもとで基本計画を進めていますが、以下で主な取組をいくつか説明していきます。ア.スポーツで「人生」が変わる!●成人の週1回以上スポーツ実施率を65%に基本計画の中で目標を立てました。「成人の週1回以上のスポーツ実施率を2022年3月までに65%に高める」というものです。直近の調査では51.5%(平成29年度)、その前が42.5%(同28年度)と、少しずつ向上してきています。第2期スポーツ基本計画の骨子第2期スポーツ基本計画46 ファイナンス 2019 Apr.連載セミナー

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