ファイナンス 2019年4月号 Vol.55 No.1
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れた新たに必要となる事業に係る契約額(物件費)の上限(17兆1,700億円程度)を踏まえつつ、防衛力整備の効率化・合理化を徹底し、中期防対象経費として2兆4,013億円を措置している。但し、これには調達単価低減を図るための早期警戒機(E-2D)の9機まとめ買い等(1,892億円)が含まれており、これを除いたいわば平年ベースの新規後年度負担は2兆2,121億円となっている。(図表4:新規後年度負担額の推移)(1)平成31年度予算における主要事業平成31年度予算では、防衛力の整備等に必要な事業を着実に推進しているところ、その主な内容は下記の通りである。*6(図表5:自衛隊の能力等に関する主要事業)ア  宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化する。○ 宇宙領域における能力・宇宙状況監視(SSA)システムの整備(260億円)*6) 予算額はエを除き契約額ベース。なお、初度費(専用治工具費や初度設計費等)は含まない。米軍及び国内関係機関等と連携し、宇宙状況監視の実運用を担うため、Deep Space監視用レーダー及び運用システムを整備。・Xバンド防衛通信衛星の整備(356億円)Xバンド防衛通信衛星3号機(スーパーバードC2号機の後継衛星)の打上げロケット及び関連地上施設の運用・維持管理。○ サイバー領域における能力・サイバー防衛体制の充実・強化サイバー防衛能力の抜本的強化を図るため、サイバー防衛隊を約70名増員。・サイバー情報収集装置の整備(36億円)防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃手法に関する情報収集を行うため、サイバー情報収集装置を整備。○ 電磁波領域における能力・戦闘機(F-15)の電子戦能力の向上(2機改修:108億円)周辺諸国の航空戦力の強化に対応するため、能力の高い新たな電子戦装置を搭載するなど改修を実施。・自動警戒管制システム(JADGE)の電子戦情報の共有・処理能力の向上(29億円)電磁波に関する情報共有に資するため、自動警戒図表3 防衛関係予算の推移46,804(+0.8%)47,838(+2.2%)48,221(+0.8%)48,607(+0.8%)48,996(+0.8%)49,388(+0.8%)50,070(+1.4%)7341,0101,4721,7942,0392,2121,9351081402163126250840,00042,00044,00046,00048,00050,00052,00054,00025年度26年度27年度28年度29年度30年度31年度注1:当初予算ベース注2:( )内は対前年度比注3:26年度は、給与特例減額終了に伴う人件費増を含む。注4:31年度は、消費税影響分を含む。47,538(+0.8%)49,801(+2.0%)48,848(+2.8%)50,541(+1.5%)26中期防衛力整備計画(億円)51,251(+1.4%)51,911(+1.3%)新中期防衛力整備計画(31~35年度)SACO・米軍再編経費政府専用機関連経費中期防対象経費(SACO・米軍再編経費等を除く防衛関係費)国土強靱化関連経費52,574(+1.3%)24 ファイナンス 2019 Apr.特 集

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