ファイナンス 2019年3月号 Vol.54 No.12
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1はじめに石川県羽咋市は、能登半島の中間部西側に位置し、面積約81.8km2、東西南北ともに11kmのコンパクトな都市です。主要幹線道路の利用により、金沢市など県内都市部からのアクセスも良好であり、平成27年3月の北陸新幹線開業により、首都圏をはじめ全国からの来訪者や観光客が増加しています。しかしながら、人口については昭和60年以降減少が続いており、本市の将来に関わる大きな課題となっています。2「道の駅」整備の必要性羽咋市には、「能登の里山里海」や、日本で唯一、車で砂浜を走行できる「千里浜なぎさドライブウェイ」など豊かな自然がもたらす魅力的な観光資源があります。しかし、それらを活かしきれていないという現状から、市内の賑わい創出の拠点として「道の駅」の整備が計画されました。道路利用者への休憩施設と道路情報の発信といった道の駅本来の機能に加えて、自然栽培を中心とした農業の6次産業化をはじめ、雇用の創出や交流人口の拡大など、地域経済の活性化を目標としています。3施設概要道の駅建設にあたっては、羽咋市より財政融資資金を財源として活用したいとの要望があり、当局において借入申込を審査の上、融資しています。事業団体羽咋市貸付対象事業過疎対策事業事業内容観光交流施設(道の駅)の整備総事業費約9億円財政融資資金貸付額約7億円道の駅「のと千里浜」は平成29年7月にオープンし、年間21万人の来場者数の目標を大きく上回る約30万人を達成しました。写真2 「のと千里浜」オープン時(写真:羽咋市)羽咋市道の駅「のと千里浜」を起点に食や文化を発信~財政融資資金が結ぶ地域経済の好循環~(石川県羽咋市)北陸財務局 理財部 融資課 調査官古湊 康寛写真1 千里浜なぎさドライブウェイ(写真:羽咋市)72 ファイナンス 2019 Mar.連 載 ■ 各地の話題

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