ファイナンス 2019年3月号 Vol.54 No.12
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務省と仕事をする機会が多かったため、ドミンゲス大臣と財務省職員が「Build Build Buid」プログラムや包括的税制改革プログラムに臨む姿を間近で見ながら、当事者と直接、意見交換できる貴重な機会にも恵まれた。彼らが、色々な課題に直面しながらも、高い志を持って、国を良くするために前に進めていきたいと奮闘する様は、同じ公務員として大いに共感できるものがあった。「Build Build Buid」プログラムをはじめ、着実に前進が見られる政策があるが、これらの多くはドゥテルテ政権の実行力によるところが大きく、成長著しいフィリピンのダイナミズムを感じることが出来た。一方で、課題は明確になっているにもかかわらず、なかなか有効な対応策を打てず、歯痒い思いをしている分野があるのも事実であり、こうした分野については、ドゥテルテ政権後半で解決に向けた取組に着手されることを期待したい。プロフィール影山 昇在フィリピン日本国大使館一等書記官2008年財務省入省。主計局、大臣官房、理財局、財務総合政策研究所、横浜市財政局、シンガポール留学(シンガポール国立大学)を経て、2016年6月より現職。産業別実質GDP成長率の推移201020112012201320142015201620172018農業0.00.30.30.10.20.0-0.10.30.1工業3.60.62.33.02.62.22.72.42.3サービス4.07.62.84.04.03.43.94.33.93.8合計(出典)フィリピン統計庁の資料から筆者作成3.76.77.16.16.16.96.76.2-1.00.01.02.03.04.05.06.07.08.09.010.0フィリピン財務省国際金融グループのメンバーと共に ファイナンス 2019 Mar.55海外ウォッチャーFOREIGN WATCHER連 載 ■ 海外ウォッチャー

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