ファイナンス 2019年3月号 Vol.54 No.12
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特別対談4大企業とスタートアップ企業との連携特別対談に続いて「大企業とスマートニッチ・スタートアップ企業との連携」と題したパネルディスカッションが行われました。モデレーターは、ポケモンGOなどのARサービスを提供する株式会社ナイアンティックの足立光さんです。パネリストは、富士通株式会社の徳永奈緒美さん、合同会社テックアクセルベンチャーズの大場正利さん、株式会社DG TAKANOの高野雅彰さん、セーフィー株式会社の佐渡島隆平さん、池田泉州キャピタル株式会社の石飛光俊さんの5名です。このパネルディスカッションでは、大企業とスタートアップ企業の両サイドの視点を共有し、大企業とスタートアップ企業がうまく協働・連携していくためのポイントについて議論がなされました。資金調達の立場からは、先代社長の技術を承継していわゆる第二創業を成し遂げた高野さん(日経ビジネスの「世界を動かす日本人 50」にも選ばれています。)から「自社が有する技術に磨きをかけて企業価値を高めることで大企業と対等な立場で契約ができるようになった」経験が語られたほか、大企業を辞めて起業した佐渡島さんは、「大企業がベンチャー企業と組むことで世界を変えることができると思わせることが大事だ」と述べました。これに対し、大企業でスタートアップ企業との共創に携わる徳永さんから「大企業で危機感を持って本気で取組む人」が参画することが重要であるとの指摘があったほか、ベンチャーキャピタルを運営する大場さんは、失敗する投資先として「ネームバリューを誇示する人や、技術があってもビジネスモデルが説明できない人」を挙げました。さらに、銀行系ベンチャーキャピタルの石飛さんからは、「地域でイノベーションを推進するためには、バケツリレーのようなシームレスなベンチャー支援が求められている」との指摘がありました。このパネルディスカッションでは、モデレーターの足立さんに、わかりやすく議論を整理してもらったことから、スタートアップ側と大企業側双方の参加者にとっても連携に向けたポイントを理解できた大変有意義な議論が展開されました。パネルディスカッション1足立 光 さん高野 雅彰 さん徳永 奈緒美 さん佐渡島 隆平 さん大場 正利 さん石飛 光俊 さん5オープンイノベーションと地域経済 エコシステム続いて、「オープンイノベーションと地域経済エコシステム」と題してパネルディスカッションが行われました。モデレーターは、大阪市役所勤務を経て企業の新規事業開発プログラムの構築などを手掛けている株式会社フィラメントの角勝さんです。パネリストは、合同会社フラットアワーの銭本慧さん、慶應義塾大学先端生命科学研究所の冨田勝さん、株式会社山陰合同銀行の安喰哲哉さん、株式会社セールスフォース・ドットコムの今井早苗さん、財務省四国財務局の32 ファイナンス 2019 Mar.SPOT

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