ファイナンス 2019年3月号 Vol.54 No.12
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に、そのデータ等を用いたAIシステムの開発支援を行うため30億円〔新規〕を計上するほか、先進的医療機器・システム等技術開発事業に35億円〔新規〕を計上している。また、高齢者の自立支援に資するロボット介護機器等の開発のために14億円〔+3億円〕を計上している。3 中小企業対策中小企業対策費は、経済産業省予算のほか、財務省予算及び厚生労働省予算に計上されており、景気回復を反映した信用保証制度の運営のための日本政策金融公庫への出資金の減〔▲45億円〕を反映して、一般会計全体では1,790億円〔+19億円〕(臨時・特別の措置を除くと1,740億円〔▲31億円〕)を計上している。平成31年度予算では、中小企業・小規模事業者の生産性向上支援に重点化するとともに、資金繰り対策等に必要な予算を計上している。具体的には、地域中核企業を含む中小企業・小規模事業者が産学官連携により行う研究開発等の支援事業159億円〔▲3億円〕、ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業50億円〔新規〕、「事業引継ぎ支援センター」を含む中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業70億円〔+1億円〕等を計上している。資金繰り対策については、日本政策金融公庫による低利融資や信用保証協会の債務保証等を円滑に行うため266億円〔▲3億円〕(別途財務省分616億円〔▲37億円〕)を計上している。なお、平成30年度第2次補正予算では、生産性向上に資する革新的なものづくり・サービス開発のための設備投資等の支援(ものづくり補助金)、ITツールの導入支援(IT補助金)、小規模事業者が商工会・商工会議所と策定した経営計画に基づいて行う販路開拓や生産性向上の取組等の支援(持続化補助金)に計1,100億円を計上している。4 国際展開支援経済産業省の平成31年度一般会計予算においては、企業の国際展開の支援として、中堅・中小企業等の海外展開支援や対内直接投資の促進、グローバルベンチャーの創出支援等に必要な予算を計上している。具体的には、中堅・中小企業等の海外展開支援や対内直接投資を促進するため、(独)日本貿易振興機構(JETRO)への運営費交付金として250億円〔+10億円〕等を計上している。また、大阪・関西万博の開催準備のため、平成30年度第2次補正予算の3億円に加え、3億円〔新規〕を計上している。5 エネルギー対策特別会計エネルギー対策特別会計には、石油石炭税収を財源とするエネルギー需給勘定、電源開発促進税収を財源とする電源開発促進勘定、原子力損害賠償支援勘定の3つの勘定がある。(1)エネルギー需給勘定(石油石炭税財源)平成31年度予算においては、エネルギー需給勘定の剰余金が大幅に減少する中で、予算の重点化・効率化を進め、水素社会の実現に向けた水素ステーションの整備等を推進するほか、臨時・特別の措置として電力インフラの強靱化等を行うこととしている。ア.エネルギー需給構造高度化対策〈省エネルギー関連予算〉省エネルギー関連予算としては、省エネルギー技術の研究開発、省エネ設備投資、クリーンエネルギー自動車の購入等を支援しており、規制的手法との組み合わせ等により効果的・効率的に省エネルギー政策を推進することとしている。例えば、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金については、省エネ設備の入替促進に向けて、新たに省エネ法の評価対象となった「企業間連携の取組」を補助対象とし、規制的手法と組み合わせた重点化を行うこととし、臨時・特別の措置120億円を含む552億円〔▲49億円〕を計上している。〈再生可能エネルギー関連予算〉再生可能エネルギー関連予算については、優先順位付けを明確化し、政策効果の高い事業への重点化を進めている。具体的には、福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援事業85億円〔+10億円〕、燃料電池自動車の普及促進に向けた水素ステーション整備事業100億円〔+44億円〕、福島県において未利用エネルギーを活用した水素サプライチェーン構築実証事業163億円〔+73億円〕等を計上している。10 ファイナンス 2019 Mar.特集

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