ファイナンス 2019年3月号 Vol.54 No.12
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文中、〔 〕書きの金額は、30年度当初予算比の増減を表す。○ 経済産業省予算1 概観経済産業省の平成31年度一般会計予算は、1兆2,842億円と、対前年度当初予算で+3,476億円となっている。こうした大幅な増加は、臨時・特別の措置として、中小小売店等におけるキャッシュレス決済時のポイント還元、商店街活性化支援、防災・減災、国土強靱化のために3,504億円を計上したことによるものである。この臨時・特別の措置を除くと、エネルギー対策特別会計への繰入の減少により、対前年度当初予算で▲28億円の9,337億円となっている。経済産業省の平成31年度一般会計予算では、Society5.0の実現に向けて、コネクティッド・インダストリーズの推進のため、人工知能等の研究開発やスタートアップ支援、サイバーセキュリティ対策に重点的な予算措置を行っている。また、中小企業の生産性の向上、事業承継の加速化、消費税率引上げ対応の支援に必要な予算を計上している。さらに、G20の開催に伴う経費や2025年の大阪・関西国際博覧会に係る経費等も計上している。エネルギー関連では、エネルギー対策特別会計の剰余金等が大幅に減少する中で予算の重点化・効率化を進め、水素社会の実現に向けた水素ステーションの整備等を推進するほか、臨時・特別の措置として電力インフラの強靱化等を行うこととしている。東日本大震災復興特別会計においては、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上し、引き続き復興支援を推進することとしている。2 科学技術関係人工知能等の研究開発やスタートアップ支援、サイバーセキュリティ対策等に対して重点的な予算措置を行っており、科学技術関係予算で6,786億円〔+228億円〕、一般会計の科学技術振興費で1,131億円〔+77億円〕(臨時・特別の措置を除くと1,079億円〔+24億円〕)を計上している。具体的には、事業者間のデータ共有プラットフォームの整備を支援することで協調領域を拡大するととも平成31年度 司法・警察、経済産業、 環境予算について主計局主計官 斎須 朋之【経産】計数表(単位:億円)項目30年度当初(1)31年度予算(2)うち通常分(3)うち臨時・ 特別の措置対30年度当初(2)-(1)うち通常分(3)-(1)経産省 一般会計9,36512,8429,3373,5043,47637.1%▲28▲0.3%エネ特繰入以外3,4556,4803,5502,9313,02587.5%942.7%科学技術振興費1,0541,1311,07953777.3%242.3%中小企業対策費1,1101,1671,11750575.1%70.6%その他1,2914,1821,3542,8282,891224.0%634.9%エネ特繰入5,9106,3615,7875744517.6%▲123▲2.1%エネ需勘定繰入4,3304,7804,20657445010.4%▲124▲2.9%電促勘定繰入1,5801,5821,582-20.1%20.1%原賠勘定繰入--------復興特会(経産省関連)468416▲52▲11.1% ファイナンス 2019 Mar.9特集

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