甲府 景勝地〔御岳昇仙峡・仙娥滝〕渓谷美を讃えられ、日本の名勝として名高い御岳昇仙峡は、今から170年ほど前、長おさだえんえもん田円右衛門が周辺の30ヵ村に呼びかけ、10数年もの歳月を費やして御岳新道を完成させ、世に知らしめたものです。渓谷の奇岩・奇石は、花崗岩の岩肌が荒川の流れに削り取られ、長い年月の間に露出した大自然の芸術であり、岩肌に群生する松、ツツジ、モミジとあいまって、四季折々、美しい景観に出会えます。また、御岳昇仙峡の主峰である覚かく円えん峰ぽうは高さ180mの巨岩であり、パワースポットとしても有名。仙せん娥が滝たきは高さ30m、3段に落下する大滝で、しぶきを上げる滝壺を真近に見ることができます。 伝統産業〔印伝〕印伝は、古くから甲州(山梨県)に伝えられた革工芸です。その名の由来は“インデア”の変化した言葉とも、印4度伝4来にもよるといわれ、異国的な香りをこめて呼ばれたようです。鹿革の丈夫でしなやかな手触りを活かし、藁と松根を焼いて、その煙でいぶす燻ふすべ技法、一色ごとに型紙を替えて色を重ねる更さら紗さ技法、そして漆で模様をつける漆付け技法などが脈々と伝えられています。中でも漆付け技法は、鹿革と漆の優れた特性を調和させた甲州印伝独特の伝統技法です。燻革合切袋 (ふすべがわがっさいぶくろ)一ツ提げ莨入れ (ひとつさげたばこいれ)提げ莨入れ お酒〔名水と数多くの酒蔵、ワイナリー等〕山梨県は、世界文化遺産の富士山をはじめ、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父など国内屈指の名峰に囲まれており、それらの山に降る雨や雪は、県土の78%を占める森林を潤しながら伏流水となり、やがて県中央に位置する甲府盆地に流れ着きます。甲府税務署管内には、その名峰からの恩恵である良質な伏流水を使用した7ヵ所の酒蔵、サントリー白州露一両金駒一両金一分金一朱金朱中金糸目金72 ファイナンス 2019 Feb.連 載 ■ 各地の話題
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