ファイナンス 2019年2月号 Vol.54 No.11
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浅草〔人形問屋〕浅草橋付近では、江戸時代の中期の頃に人形市が開かれ次第に人形問屋が集中し、現在でも江戸通り沿いに老舗人形問屋が軒を連ねています。〔吉原〕吉原は、江戸時代に江戸郊外に作られた公許の遊女屋が集まる遊廓であり、1617年、現在の日本橋人形町に遊廓が許可されたが、明暦の大火(1657年)で焼失し、周辺の市街化が進んでいたことから、浅草田圃(台東区千束4)に移転が命じられました。また、吉原歓楽街への正面玄関である「大おお門もん」は遊女たちの逃亡を防ぐため、出入はこの大門一箇所のみとされておりましたが、関東大震災を機会に撤去され、現在は「吉原大門」の交差点名、バス停名などが残っています。〔主な祭り〕三社祭(5月)毎年5月に行われる、浅草の例大祭。「江戸三大祭」の一つに数えられており、江戸っ子たちの威勢のいい掛け声で神輿が担がれる様は迫力満点です。お囃子屋台や鳶頭木遺り、びんざさら舞、白鷺の舞などの大行列も浅草の町をねり歩き、浅草全体が活気に溢れます。四万六千日 ほおずき市(7月)7月9日、10日に浅草寺の観音様に参拝すると、1日だけで4万6千日お参りしたのと同じご利益があると言われています。境内に沢山のほおずき店が並び、涼しげな風鈴の音色に夏の訪れが感じられ、下町情緒たっぷりな雰囲気を味わえます。浅草サンバカーニバル(8月)弾けるサンバのリズムにあわせて、煌びやかな衣装を纏ったダンサー、演出者、迫力のある山車が浅草の町を行進します。酉の市(11月)毎年、師走に行われる酉の市。「おとりさま」と称される鷲神社で、11月の酉の日に行われます。来る年の開運、授福、商売繁昌をお祈りする祭りで、御祭神に所以のある熊手が境内にずらりと並びます。熊手は、開運・商売繁昌のお守りであり、「酉の市」の時のみ授かることができます。 名物料理〔どぜう〕今ではあまり馴染みのない「どじょう料理」ですが、江戸時代には庶民の食べものとして愛されていました。浅草の老舗では、新鮮などじょうを使用しており臭みがなく、骨もさほど感じません。また、骨が苦手な人は、骨抜きもありますので、伝統の味を堪能してみてください。丸ごと骨抜き66 ファイナンス 2019 Feb.連 載 ■ 各地の話題

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