ファイナンス 2019年1月号 Vol.54 No.10
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各地の話題ズ船で福岡と上海を往復するコースだけではなく、片道を飛行機の旅程として、短期間でも国際クルーズを体験できるものなど工夫を凝らすことにより、新たな旅客を掘り起こし、アウトバウンドの振興につなげたいとしている。入国管理面でいえば、法務大臣が指定するクルーズ船の外国人乗客を対象として、簡易な手続で上陸を認める、船舶観光上陸許可が平成27年1月から導入されていることも国際クルーズ客の増加に寄与しているといわれている。最近の博多港への国際クルーズ船の寄港はやや落ち着いてきており、平成30年(2018年)は265隻程度となる見通しである(平成30年12月3日現在)ものの、国際クルーズ船での入国旅客数は、上半期で前年比103.7%と増加しており、これはクルーズ船の大型化が寄与しているところが大きい。実際、博多港に入るクルーズ船は、大きいもので総トン数17万トン弱、全長350メートル弱、乗客が5000人に、乗組員も1800名程度。まさに「動くマンション」とでも言いたくなるほど巨大なものである。【図3】巨大クルーズ船4おわりに我々、博多税関支署では最も多いときには、国際クルーズ船2隻に、定期船ニューかめりあ、高速船ビートルと4隻の船の旅客に対応している。政府が観光立国を国の成長戦略の柱の一つに掲げる中で、旅客の利便性に資するべく、迅速な通関が求められる一方で、本年(2019年)のG20(金融・世界経済に関する首脳会合)サミット(うち、財務大臣・中央銀行総裁会議が福岡市で6月8日~9日に開催)やラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控えており、テロに対する備えも含めた適正な対応も求められているところである。訪日外国人旅行者や海上貨物が増加している中、円滑な通関とテロ対策など厳格な取締りを両立のうえ、国民の安全・安心の確保という税関の使命を果たすべく、職員一丸となって取り組んでいる。 ファイナンス 2019 Jan.72連 載 ■ 各地の話題

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