ファイナンス 2019年1月号 Vol.54 No.10
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各地の話題しての石巻港について記載しますが、昭和39年3月に石巻市が新産業都市に指定されたのと同時に重要港湾に指定されています。開港は昭和42年6月で、平成29年に開港50周年を迎えました。開港当初から紙業、飼料(肥料)、木材、鉄鋼、造船に関連する企業が進出し、50年以上経った現在でも産業の中心となっています。また、昨年(平成30年)には、総トン数10万トン・旅客数2,600名を超える大型客船が入港するなど、客船誘致にも力を入れており、新たな取組みにも積極的に動いています。・庁舎から見た石巻港・石巻港に入港した大型客船4萬まん画がのまち石巻少し話題を変えて、この地域で特色のあるものを紹介していきたいと思います。石巻駅から南東に位置する中瀬に、仮面ライダーやサイボーグ009、ロボコン等の原作者として知られる石ノ森章太郎氏の「石ノ森萬画館」があり、駅前や商店街のあちこちにアニメキャラクターのオブジェが顔をみせています。※ 石ノ森章太郎氏は石巻市のお隣の登米市のご出身ですが、少年時代にこの中瀬にあった映画館に、自転車で3時間をかけて通っていた思い入れのある場所であり、産業衰退・人口減少で悩んでいた石巻のために、自らが「マンガを活かしたまちづくり」を提案し、平成13年7月に萬画館をオープンさせたとのことです。・石ノ森萬画館・石巻駅のアニメオブジェ5日ひより和山やま石巻の代表的なシンボルに「日和山」があります。標高約60mで山頂からは太平洋を一望でき、中瀬には石ノ森萬画館の丸いドーム形の建物が目に飛び込んできます。日和山という山は全国に80カ所以上あるのだそうですが、「石巻の日和山はその代表的な日和山として知られています」と、石巻の方がおっしゃっていました。また、港や旧北上川を一望できることから、東日本大震災の時には沢山の方が避難した山でもありますが、そこから見た石巻の惨状をも知る、悲しい記憶の残る場所でもあります。・日和山より太平洋を望む・日和山より中瀬を望む6鋳い銭せん場ば石巻駅の東側に「鋳銭場」という地名の場所があり、赴任してすぐに周辺を探索したのを覚えています。石巻に鋳銭場が設けられたのは享保12年(1727年)のことで、江戸幕府が寛永36年(1636年)から江戸や近江国で鋳造を始めた「寛永通宝」という貨幣を作り始めた場所で、その敷地は80間(約150m)四方の広さがあったとのことです。今では小さな祠と碑がひっそりと残っているだけですが、石巻の歴史を物語るのに貴重なものとなっています。・貨幣を鋳造していたことから「鋳銭場」と名付けられた7地じ酒ざけ宮城県には全国的にも有名な地酒が沢山あり、品評会でも数多くの金賞を受賞しています。一番名前が知れているのは「浦うらがすみ霞」でしょうか? その他では「一いちのくらノ蔵」も有名ですかね。でも、読者の中には日本酒通の方もいらっしゃると思いますので、少しだけ紹介をさせて頂きますと、「阿あべかん部堪」「乾けんこんいち坤一」「伯はくらくせい楽星」「水みずとりき鳥記」「綿わたや谷」等、地元以外ではなかなか手に入ら ファイナンス 2019 Jan.68連 載 ■ 各地の話題

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