ファイナンス 2019年1月号 Vol.54 No.10
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石巻あれこれ~初めての勤務地で見たもの 触れたもの~横浜税関仙台塩釡税関支署石巻出張所長鳥居 健1はじめに石巻市は宮城県の北東部に位置する、人口約14万3千人の宮城県第2位の街であり、リアス式海岸に囲まれた風光明媚な地域になります。(ん、その宮城県が分かりにくい…?→宮城県は東北最大の都市&東北唯一の政令指定都市である「仙台市」を有し、北に岩手県、南に福島県、西に秋田県・山形県と隣接した位置関係になります。)2石巻市の概要東北最大の河川である「北上川」の河口に位置し、江戸時代には、東北各地で収穫されたお米等を、豊富な水運を利用して石巻に集荷し江戸へ運搬する「奥州最大のコメの集積港」として全国に知られていました。また、一年を通じで比較的温暖な気候であり、世界有数の漁場である金華山沖を有していることから、明治時代から漁業や水産加工の町として栄えてきた歴史もあります。一方、昭和39年には新産業都市の指定を受け、同42年に石巻港が開港し工業都市としても発展を遂げてきました。現在の石巻市は、平成17年4月1日に、旧石巻市・河北町・雄勝町・河南町・桃生町・北上町・牡鹿町の1市6町が合併し、新たな「石巻市」になったものです。3税関官署と石巻港仙台塩釜税関支署石巻出張所は、明治32年4月に「石巻税関監視署」として設置されたのが始まりで、昭和16年12月「塩釜税関支署石巻出張所」に昇格、同18年9月に一旦廃止されますが、同21年6月に再開し、平成18年7月に名称変更され現在に至っています。また昭和49年4月から、現庁舎の所在地である石巻市中島町の石巻港湾合同庁舎(2階建)に入居、平成23年3月の東日本大震災で庁舎が被災し石巻法務合同庁舎への移転を余儀なくされますが、平成26年6月、同所に石巻港湾合同庁舎(4階建)が新築され再入居となりました。輸出入の貿易額の比率については輸出1:輸入4となっており、輸入偏重であると言えます。取扱貨物については、輸出は紙類・同製品、金属鉱・鉄鋼くず(スクラップ)、魚介類・同調製品が上位の品目となっており、東日本大震災前に輸出額の5割以上を占めた「船舶」の輸出が復調しないのが気掛かりです。輸入は木・コルク製品、穀物・同調製品、石炭が上位の品目となっており、震災前年の貿易額を超える年もあるなど、堅調に推移しています。・被災した庁舎と事務室・現在の庁舎と事務室石巻港は仙台市から約60Kmの距離にある旧北上川の河口西方に位置する「工業港」と、河口東方に位置する「新漁港」とからなります。ここでは工業港と石巻67 ファイナンス 2019 Jan.連 載 ■ 各地の話題

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