ファイナンス 2019年1月号 Vol.54 No.10
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第十四回 明るい未来へ、企業の挑戦。ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?未来投資が全国1位平成29年7月末に施行した地域未来投資促進法。日本政府として地方創生に光を当てる流れのなかで、地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する事業に集中的に政策資源を投入しようとする取り組みが始まっています。具体的には、法人税の軽減や規制の特例、府省横断の補助や金融措置を活用し、リスクをとって地域経済を引っ張っていこうとする企業を支援するものです。新潟県庁では、(1)この政策に呼応した地方法人税の独自軽減の全国初の導入や、(2)企業立地補助金について、非常勤でも最低賃金水準でも1とカウントしていた雇用確保の数やハコモノの大きさを前提にした考えから、高い付加価値を創出するかどうか、給与の高い良質な雇用に転換するかどうか、という思想のもと、支援対象を量から質に180度転換しました。地域未来投資促進法の支援対象となる事業*1は、3年で2,000社程度を目指すとされていましたが、既に*1) 各都道府県知事に地域経済牽引事業計画を承認された事業。全国で1121件(1436事業者。平成30年12月4日現在)に上っています。そのうち、新潟県は84件(110事業者)と、その件数は47都道府県で全国1位(シェア7.5%)となっています。日本全体に占める新潟県の人口は約2%ですから、特筆すべき数字と言えるのではないでしょうか。具体的には具体例を挙げると、写真で紹介している事業のほか、共働きや単身世帯の増加を踏まえた「新潟県産コシヒカリのパックごはんの自動生産工場新設」や、IT企業の進出や既存事業のIT化がなかなか進まない中での「フリマアプリ運営のサポートセンター設立」「きもの総合加工のAI活用」「最先端のAI等を活用した屋内農業」、ウィンタースポーツの聖地に向けた「最新鋭のゴンドラリフト設置」などです。84件すべては紹介しきれませんので、この記事で少しでも興味をもって頂けたなら、新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道〈具体例1〉オープンイノベーションの手法を用いた高級包丁等の製品開発、モノが生まれる現場を常時見られるオープンファクトリーの取組の強化55 ファイナンス 2019 Jan.連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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